「シンプルイズベスト」だからいい コメダ珈琲店のモーニングが愛される納得の理由「街のリビングルーム」(1/2 ページ)

» 2023年04月29日 06時00分 公開
[ITmedia]

 名古屋発祥のコーヒーチェーン「コメダ珈琲店」といえば、どんな特徴を思い浮かべるだろうか。メニュー写真よりもはるかに大きいボリューム感、ふかふかの赤いソファ――。それだけではない。他のコーヒーチェーンとの違いを最も際立たせているのが、そのシンプルさだ。コメダのモーニングから考えてみたい。

コメダ珈琲店のモーニングが愛されるのはなぜ?(同社公式Webサイトより、以下同)

 コメダのモーニングは、毎朝開店から午前11時までの間、ドリンクを注文すれば、「山食パン」(トースト)か、デニッシュ生地が入った「ローブパン」のいずれか1つを無料で選ぶことができる(ローブパンは1日の上限に達すると提供終了)。

コメダ珈琲店のモーニング

 さらに「定番ゆで玉子」「手作りたまごペースト」「コメダ特製おぐらあん」「パリッとソーセージ」「フルーツミックスジャム」の中から1つ、無料トッピングを選べる(取り扱い商品は店舗によって異なる)。

いずれか1つを無料で選べる「山食パン」(左)と「ローブパン」

 そして、パンに塗る「バターまたはマーガリン」「いちごジャム」「ぬる豆乳」からも1つ無料で選ぶことができる。

 「朝コメ」の愛称で慕われるコメダのモーニング。これらをドリンク料金のみで味わえるとは驚きだ。

「サービス品だからこそ手を抜くな」

 「奇をてらったものではなく、誰もがよく知っている味を提供するのがコメダの特徴です」

 こう話すのはコメダの伊藤弥生・マーケティング本部長だ。

無料トッピングとして選べる「定番ゆで玉子」(左)と「コメダ特製おぐらあん」。卵を使用した商品は昨今の鶏卵不足の影響で提供できない場合があるという

 コメダ珈琲店の一号店が創業したのは1968年。現在の店舗数は海外も含めると987店(2023年2月期)に上る。客層は店舗の立地によって異なり、コメダのお膝元、名古屋市で77年に営業を始めた本店など、古くからある店舗では年配の客層が目立つ。一方、都心などで展開する比較的新しい店舗では、若い女性の1人利用なども見られるという。

 幅広い年齢層から支持を得られるメニューづくりが、奇をてらわない、洗練されたシンプルさを際立たせている。

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