いずれにせよ、これから人口が急速に減少していく日本で生活エリアの集中化が進んでいくのは間違いない。地域内の住民は一カ所に集まっていくので、外国人観光客が押し寄せる人気観光地や、観光客が利用するホテルなどがある商業エリアとの棲み分けも進んでいく。つまり、ゾーニングが進んで観光公害が軽減されていくのだ。
そこに加えて、人口が減れば日本の観光資源の強みがさらに発揮される。生活エリアの集中化が進んで人が住まないエリアが増えることは、住宅分譲地をつくるために山を切り開くような開発にブレーキがかかるということなので、日本の豊かな自然が復活していく。これは実は日本の観光ビジネスにとって最強の武器になる。
富士山を登る外国人観光客が増えていることからも分かるように、エコツーリズムは世界的にも人気だ。日本も豊かな自然を整備して、米国の国立公園のように、それなりの入場料を徴収して、キャンプやツアーを楽しめるようにすれば、これまで以上に外国人観光客を呼び込める。
また、海外にもファンが多いジブリ作品や新海誠監督の作品では必ずといっていいほど、日本の美しい自然が描かれるている。それを目当てにやって来る外国人観光客も多いが、わりとガッカリされることが多い。現実の日本の田舎はコンビニがあふれて、アニメで描かれるほど美しくないからだ。このような問題が生活エリアの集中化で解決されるのだ。
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