しかし、これまでコンパクトシティはうまくいっていない。人は住みたいところにどこにでも住める「居住の自由」があるからだ。都会から田舎暮らしに憧れて「ポツンと一軒家」に住みたいという人を規制するような法律はない。
このような人のもとにも郵便や宅配便はちょっと料金を上乗せすればちゃんと届く。110番をすれば、どんな悪路でも警察はやって来てくれるし、自然災害が起きれば、消防隊や自衛隊も命懸けで救出活動をしてくれる。
そんなのは当たり前だと思うかもしれないが、先ほどから申し上げたように、人口が減っていく日本では当たり前のことが維持できなくなる。例えば、大規模な自然災害が発生して、都市部でも多くの人が救助を必要とするような事態になったとき、人員不足からポツンと一軒家は見捨てられてしまう恐れもあるのだ。
このような事態を避けるには、居住の自由がある程度制限してでも、生活エリアの集中化を進めていくしか道はないのだ。このあたりについてはダイヤモンドオンラインの『人口減少ニッポンでは、やがて「好きな場所には住めなくなる」理由』でも詳しく述べているので、興味のある方はお読みいただきたい。
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