「高い」「1人で入ろうと思わない」 セットメニューを「100円引き」、ケンタランチの功績：ランチから見る企業努力（2/2 ページ）

[ITmedia]

ケンタランチの狙い

　ケンタランチ提供の狙いは「日常利用の活性化」を図ること。ケンタッキーのイメージとして、クリスマスなどハレの日は強い一方で、ランチタイムなど日常利用の印象が弱い傾向にあったという。

　「まずは多くのお客さまに体験してもらうことが大事だと考え、外食・バーガーの食機会としても多いランチ時間帯でのバリューメニューを導入しました」（広報担当者）

ランチF（ダブルチキンフィレバーガー）は900円（提供：日本ケンタッキー・フライド・チキン、以下同）

　また、ランチを割り引きして提供することで、「若年層の獲得」と「価格が高いというイメージの払拭」にもつなげたいという。

　「歴史あるブランドで、中高年層が抱くケンタッキーのブランドイメージはとても好意的である一方、若年層にとってはコンビニなどと並んで数ある選択肢の1つにすぎないのではとの課題認識がありました。また、『ケンタッキーは高い』という印象をお持ちのお客さまもいらっしゃることも分かりました。そんなイメージを払拭し、幅広く『ワクワクするブランド』という認識を広げたいという思いがありました」（広報担当者）

ランチW（ペッパーマヨツイスター）

　商品は基本的に定番で販売しているセットの販売価格から100円引きで展開しているためメニュー数が多く、現状10種類用意している。「チキン以外にもバーガーやツイスターなどさまざまなメニューがあるので、ケンタランチを通じて新しいメニューにもトライアルしていただきたいという考えがあります」（広報担当者）

ランチL（オリジナルチキン）

　利用者は30〜40代男女が中心。1番人気は「チキンフィレバーガーセット」、2番人気は「和風チキンカツバーガーセット」、3番人気は「チキン&ビスケットセット」だ。

　「全品100円引き」を実現できている理由は「利益率としては厳しい反面、客数・販売数はしっかりと獲得できており、売上・利益額としてカバーしているようなイメージです」（広報担当者）とコメントした。

ランチH（和風チキンカツバーガー）

ランチY（バジルレモンツイスター）

　利用者からは「ケンタランチを通じてケンタッキーお得に利用できる」と支持を集める。

　「ケンタッキーは大人数でないと利用しづらい、チキンを買わないといけない、などといったイメージの障壁がありましたが、『ケンタランチ』を通じて日常的に、さまざまなシーンで利用していただけるようになりました」（広報担当者）