この記事は、Yahoo!ニュース個人に5月5日に掲載された「『誤った情報が掲載』『30分ずっと電話が鳴る』 1年半前に炎上するも、飲食店がまだAI電話予約に迷惑」に、編集を加えて転載したものです(無断転載禁止)。
このゴールデンウィークはどこかに食べに行きましたか。もしくは、これから食べに行く予定はあるでしょうか。こういった繁忙期に外食するのであれば、完全予約制のレストランに訪れるのではなくても、予約した方がベターです。
ただ、飲食業界はあまりデジタル化が進んでいないので、インターネットには対応しておらず、電話からしか予約を受け付けていない飲食店も少なくありません。電話予約はハードルが高いと感じる人も多いでしょう。
このような人にとって、新しい画期的なサービスが登場したと以前記事を書きました。
(関連記事:画期的なAI電話予約が飲食店に迷惑をかけて大炎上? サービスを運営する社長の見解を全文公開)
そのサービスとはハローが運営する「オートリザーブ(AutoReserve)」。アプリやインターネットから店を選び、日時や人数などを選択します。すると、AIが自動で営業時間になったら電話し、つながるまで架電し続けるというサービスです。
少なからぬ飲食店から迷惑しているという声が挙がり、私も直接相談を受けました。そして、ハロー代表取締役社長を務める播口友紀氏のコメントと共に、この事案について記事を書いたのです。
播口氏からは利用者と飲食店のためを考えたサービスであると、思いの込もったメッセージが寄せられました。ただ、最近になって、飲食店からまだ迷惑を被っているという相談を受けたので、改めて当事案を取り上げることにします。
相談が寄せられたのは、富山県の和食店から。その訴えとは次の通りです。
「被害はやはり沢山のお店の方がSNSで書かれている自動音声で連続でかかってくる電話です。 私の時はオープンの時間にかかってきて30分ほど続きました。
対策として私の電話機に着信拒否の機能が付いていたので設定しました。すると翌日お客さまになかなか電話がつながらなかったと言われ電話機のメーカーに問い合わせると、着信拒否設定にするとオートリザーブからの電話は鳴らないのですが説明しづらいのですが、オートリザーブから電話があると電話機の内部的にオートリザーブと暫くつながって拒否しているらしくそれが重なると話し中になるようでした」(※原文ママ)
開店した直後は入店客の応対もあってバタバタするものですが、30分くらいはAIから電話がかかってくるということです。対策として着信拒否にしますが、そうなると話し中になってしまい、他の電話が受けられないので、それはそれで困ってしまうということ。
話はまだ続きます。
「あとよく聞くのは、オートリザーブが勝手に掲載しているお店の定休日や営業時間、価格が誤って表記されている事です。これは他のグルメサイトにも当てはまりますが、昨今の材料、光熱費の値上がりに伴って値上げやメニュー構成、営業時間の見直しをしたお店が多いのですが、古いデータを見て来たお客さまがネットで調べたのと値段が違うなどの小さいクレームもよくあります。お客さまはお店の公式ページもグルメサイトも同じ様に捉えるので迷惑している所は多いです。
消費者センターや公の機関に何件か相談してみましたが特殊すぎてなかなか難しいです」(※原文ママ)
コロナはもちろんのこと、材料や光熱費の値上がりによって、店舗の状況もだいぶ変わっています。ただ、店舗に確認することなく情報を掲載しているので、誤っていることが少なくありません。値段が違っている場合には、致命的なクレームにつながることもあります。
消費者センターや公の機関に相談しても対応してもらえず、速やかに店舗情報を削除してもらえなければ、為す術がないといえるでしょう。
改めて、なぜ飲食店がAI電話に困惑しているのか、説明していきます。
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