2022年はどのような年であったであろうか。
年末の恒例となった「ユーキャン 新語・流行語大賞」には、プロ野球ヤクルト・村上宗隆選手の活躍ぶりを表す「村神様」が選ばれた。テレビ放送のデータベースを生成するエム・データが発表した「TVニュースランキング」では「ロシア、ウクライナへ軍事侵攻」が1位、グーグル日本法人が発表した検索ランキングでは「安倍晋三」元首相が1位となっている。
食に関するトレンドでは、ぐるなび総研が発表した「今年の一皿」は「冷凍グルメ」となり、「HOT PEPPER」が行ったアンケート「22年の流行グルメ」では「マリトッツォ」が2年連続1位となった。
「22年の流行グルメ」で2年連続1位となった「マリトッツォ」(ゲッティイメージズ)
「ミシュランガイド東京2023」では東京が引き続き世界でナンバーワンの星をもつ都市となり、アルゴリズムを用いたフランスの「ラ・リスト 2023(LA LISTE 2023)」ではトップ1000レストランのうち、日本が138軒で世界トップ。
日本が世界でも有数の美食国であることが誇示された一方で、国内では食にまつわるさまざまな“炎上事件”も起きている。
食に関する良いニュースからそうではないニュースまで、今年、印象に残ったものをランキング形式で順番に紹介していこう。
最初はアジアのベストレストラン50で日本料理店「傳」(でん)が1位になったこと。
アジアのベストレストラン50は、2013年に始まったレストランのランキングだ。02年に開始された世界のベストレストラン50から派生したランキングで、アジアの6地域318人の審査員が10票ずつを投じ、1〜50位まで決まる(21年版からは51〜100位も発表されている)。ミシュランガイドの調査員による合議制やラ・リストのアルゴリズムとは異なり、専門家の投票によって決まるのが特徴だ。
アジアのベストレストラン1位「傳」の長谷川在佑シェフ(プレスリリースより)
19年末、天才料理人が東京で三ツ星レストランを目指すTBS系ドラマ「グランメゾン東京」が放送され、フランス料理ブームや美食ブームが訪れるかと期待されたが、新型コロナウイルスの感染拡大で、ムードは沈下。飲食業界は、時短営業と酒類提供の禁止によって通常営業できず、利用者も外食を控えた。コロナ関連の倒産件数で、飲食店が業態別で最多を記録したことは記憶に新しい。
- 「入店お断り」ラーメン1杯を2人でシェア ルール違反なぜ起きる?
食べない方の入店お断り――。あるラーメン店がSNSに投稿した訴えが注目を集めている。2人連れの客が来店し、うち1人は注文せず、1杯のラーメンをシェアしたという。安価が売りの店側は「商売にならない」と音を上げ、「食べない方は外のベンチでお待ち頂きます」と訴えた。こうした客側の行動背景や、飲食店が被る損害について、グルメジャーナリストの東龍さんに話を聞いた。
- 悩ましい子連れの外食 称賛を呼んだラーメン店の「神対応」とは?
「赤ちゃんが泣いたらどうしよう」。幼い子どもを連れた外食には、多くの悩みがつきまとう。子どもをあやしていると料理は冷め、麺も伸びてしまう。そんな利用客の目線に立った、あるラーメン店の対応が話題を集めている。慌てて麺をすする時間を、快適な食体験へと一変させた店舗スタッフの一言とは――。
- 「受験生しか見えない」広告なぜ出した? 担当者が伝えたかったメッセージとは
12月、東京の渋谷・池袋駅に掲示された、ある飲料商品の広告が話題を呼んだ。複数のカラーを重ね合わせたモザイク状のデザインで、一見したところ、メッセージらしきものは読み取れない。実は、あるものを広告にかざすことでメッセージが浮かび上がる、ユニークな仕掛けが施されていた。
- 「公務員がコンビニでソフトクリーム」――区役所に届いた理不尽なクレーム 職員の訴えに反響
「職員がコンビニの前でソフトクリームを食べています」――。先日、東京都内のある区役所に届いたという1本のクレーム電話。このクレームがあった事実をSNSで明かし「昼休みだから問題ない」と発信した区役所職員の投稿が、大きな反響を呼んでいる。公職に就く人々にことさら厳しい視線を向け、役所に“通報”する――。「公務員であればどんな要求を突きつけてもいい」といった、ゆがんだ考えを持つ人が一部にいる実態が浮かぶ。
- 苦境のジブリ美術館、クラファンなぜ伸びない? 去年は5000万円→今年は300万円しか集まらず
「三鷹の森ジブリ美術館」への寄付金額が伸び悩んでいる。コロナ禍の入館制限で収入が大幅に減少し、建物を所有する三鷹市は、持続可能な運営を支援するため、ふるさと納税の制度を活用したクラウドファンディング(寄付の募集)を10月から始めたが、目標の2000万円にはほど遠く、わずか300万円しか集まっていない。昨年の1回目の募金では、目標を大きく上回る5千万円近い寄付が集まったにもかかわらず、なぜ今回は振るわないのか。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.