「パンケーキ酷評」「大量食べ残し」……世界一の美食国・ニッポンで絶えない、“食の炎上事件”のなぜ22年飲食シーンを振り返る(2/5 ページ)

» 2022年12月29日 07時00分 公開
[東龍ITmedia]

 「傳」の1位は飲食業界にとっても久々に明るいニュースになった。初年度に創作料理「Narisawa」が1位になって以来、日本のレストランが久しぶりに頂点に輝いたことに加え、日本のレストランが50位以内に11店もランクインして国別で最多。日本料理がアジアのベストレストラン50で1位になったのも初めてだった。

 日本の飲食店、しかも日本料理が、世界的に大きく注目されていることが改めて示された印象的な出来事だ。

【第4位】人気グッズ目当てに大量食べ残し

 第4位は人気ゲームのグッズを目当てにした大量食べ残し。

 スイーツブッフェ(スイーツバイキング)を全国で展開する「スイーツパラダイス」が人気ゲーム「原神」とコラボレーションした。コラボメニューをオーダーすると、限定グッズがもらえる。これを目当てにした客によって、残念な食べ残しが引き起こされた。

 当該の客は、何品ものコラボメニューを注文しておきながら、コラボグッズを入手すると、料理やデザートには手をつけずに退店したという。隣席の客がこの様子をTwitterに投稿したところ、2.5万のリツイート、6.7万の「いいね」があり、食べ残した客に対する非難が殺到した。

スイーツパラダイスが9〜10月に実施した「原神」とのコラボメニューの例(同社公式Webサイトより)

 大阪発のスイーツパラダイスは、手頃な価格で数々のスイーツやサラダバーを自由に好きなだけ食べられるとあって、人気を博す。かつてはワンプライスだったが、現在では3つの価格帯で営業。アニメやゲーム、YouTubeチャンネルなど、さまざまなブランドとコラボレーションし、集客に努めている。

 こういったコラボメニューの商品はブッフェとは別にアラカルトで提供。一般的にブッフェは定額でアップセルが難しい業態のため、別料金のサイドメニューの注文は売り上げに大きく寄与する。

 今回の事案では、当然のことながら食べ残した客が最も悪いのはいうまでもない。利用者はお金さえ払えば食べ残してもよいという考え方を改める必要がある。ただ飲食店も、売り上げが増えればよしとするのではなく、食べ残しをさせないための工夫が極めて大切だ。

【第3位】ラーメン1杯を2人でシェア

 次は飲食店の空間に関する事案。

 定期的に炎上し、筆者も継続的に記事を書いているが、飲食店における空間の価値がまだまだ認識されていない。

 筆者がインタビューを受けた記事の事案を挙げよう。

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