「傳」の1位は飲食業界にとっても久々に明るいニュースになった。初年度に創作料理「Narisawa」が1位になって以来、日本のレストランが久しぶりに頂点に輝いたことに加え、日本のレストランが50位以内に11店もランクインして国別で最多。日本料理がアジアのベストレストラン50で1位になったのも初めてだった。
日本の飲食店、しかも日本料理が、世界的に大きく注目されていることが改めて示された印象的な出来事だ。
第4位は人気ゲームのグッズを目当てにした大量食べ残し。
スイーツブッフェ(スイーツバイキング)を全国で展開する「スイーツパラダイス」が人気ゲーム「原神」とコラボレーションした。コラボメニューをオーダーすると、限定グッズがもらえる。これを目当てにした客によって、残念な食べ残しが引き起こされた。
当該の客は、何品ものコラボメニューを注文しておきながら、コラボグッズを入手すると、料理やデザートには手をつけずに退店したという。隣席の客がこの様子をTwitterに投稿したところ、2.5万のリツイート、6.7万の「いいね」があり、食べ残した客に対する非難が殺到した。
スイーツパラダイスが9〜10月に実施した「原神」とのコラボメニューの例(同社公式Webサイトより)
大阪発のスイーツパラダイスは、手頃な価格で数々のスイーツやサラダバーを自由に好きなだけ食べられるとあって、人気を博す。かつてはワンプライスだったが、現在では3つの価格帯で営業。アニメやゲーム、YouTubeチャンネルなど、さまざまなブランドとコラボレーションし、集客に努めている。
こういったコラボメニューの商品はブッフェとは別にアラカルトで提供。一般的にブッフェは定額でアップセルが難しい業態のため、別料金のサイドメニューの注文は売り上げに大きく寄与する。
今回の事案では、当然のことながら食べ残した客が最も悪いのはいうまでもない。利用者はお金さえ払えば食べ残してもよいという考え方を改める必要がある。ただ飲食店も、売り上げが増えればよしとするのではなく、食べ残しをさせないための工夫が極めて大切だ。
次は飲食店の空間に関する事案。
定期的に炎上し、筆者も継続的に記事を書いているが、飲食店における空間の価値がまだまだ認識されていない。
筆者がインタビューを受けた記事の事案を挙げよう。
- 「入店お断り」ラーメン1杯を2人でシェア ルール違反なぜ起きる?
食べない方の入店お断り――。あるラーメン店がSNSに投稿した訴えが注目を集めている。2人連れの客が来店し、うち1人は注文せず、1杯のラーメンをシェアしたという。安価が売りの店側は「商売にならない」と音を上げ、「食べない方は外のベンチでお待ち頂きます」と訴えた。こうした客側の行動背景や、飲食店が被る損害について、グルメジャーナリストの東龍さんに話を聞いた。
- 悩ましい子連れの外食 称賛を呼んだラーメン店の「神対応」とは?
「赤ちゃんが泣いたらどうしよう」。幼い子どもを連れた外食には、多くの悩みがつきまとう。子どもをあやしていると料理は冷め、麺も伸びてしまう。そんな利用客の目線に立った、あるラーメン店の対応が話題を集めている。慌てて麺をすする時間を、快適な食体験へと一変させた店舗スタッフの一言とは――。
- 「受験生しか見えない」広告なぜ出した? 担当者が伝えたかったメッセージとは
12月、東京の渋谷・池袋駅に掲示された、ある飲料商品の広告が話題を呼んだ。複数のカラーを重ね合わせたモザイク状のデザインで、一見したところ、メッセージらしきものは読み取れない。実は、あるものを広告にかざすことでメッセージが浮かび上がる、ユニークな仕掛けが施されていた。
- 「公務員がコンビニでソフトクリーム」――区役所に届いた理不尽なクレーム 職員の訴えに反響
「職員がコンビニの前でソフトクリームを食べています」――。先日、東京都内のある区役所に届いたという1本のクレーム電話。このクレームがあった事実をSNSで明かし「昼休みだから問題ない」と発信した区役所職員の投稿が、大きな反響を呼んでいる。公職に就く人々にことさら厳しい視線を向け、役所に“通報”する――。「公務員であればどんな要求を突きつけてもいい」といった、ゆがんだ考えを持つ人が一部にいる実態が浮かぶ。
- 苦境のジブリ美術館、クラファンなぜ伸びない? 去年は5000万円→今年は300万円しか集まらず
「三鷹の森ジブリ美術館」への寄付金額が伸び悩んでいる。コロナ禍の入館制限で収入が大幅に減少し、建物を所有する三鷹市は、持続可能な運営を支援するため、ふるさと納税の制度を活用したクラウドファンディング(寄付の募集)を10月から始めたが、目標の2000万円にはほど遠く、わずか300万円しか集まっていない。昨年の1回目の募金では、目標を大きく上回る5千万円近い寄付が集まったにもかかわらず、なぜ今回は振るわないのか。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.