熊本県御船町には、21年4月1日に「コストコ熊本御船倉庫店」がオープンした。九州自動車道御船ICを出てすぐの場所で、県道445号線に面する。周囲にはトヨタの販売店、ICの反対側にコンビニとラーメン店があるくらいで、ロードサイドにお店が立ち並ぶ場所ではない。
店舗面積は約1万平米、駐車場803台で、新規雇用3000人。ガソリンスタンドが併設されている。
御船町の人口は1万6000人くらい。熊本市に隣接し、熊本市のベッドタウンの1つだ。観光スポットとして、日本で初めて肉食恐竜の化石が発見されたのを記念して、町立の「恐竜博物館」があり、恐竜ファンに人気が高い。
日本で初めてコストコがオープンしたのは、1999年。福岡市の郊外にある、福岡県久山町の「コストコ久山倉庫店」だった。それからしばらく九州には新店ができなかったが、13年に北九州市に「コストコ北九州倉庫店」がオープンした。
御船町へは南九州に初めてコストコが来るというので、南九州のファンの間で盛り上がった。
隣の嘉島町に県最大規模の「イオンモール熊本」があり、買い物をする御船町の人が嘉島町に流れていた。
御船町役場企業誘致係によれば、「コストコの来場者は、宮崎県、鹿児島県からも多く、他県からの交流人口が増えた」とのこと。コストコをきっかけに、恐竜博物館など御船町の魅力が多くの人に伝わればと願っている。
町役場によれば御船町の人口は微減が続いていたが、微増に転じた。これが具体的な効果として挙げられる。また、「商業に限らず企業の立地が増えた」と喜んでいる。
熊本県石油販売組合では、コストコがガソリンを安売りするので、サービスステーションの経営を圧迫すると、出店に反対との報道もあった。そこで組合に確認してみたが、際立った悪影響は出ていないようだった。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング