ジェネレーティブAI(人間の出すオーダーに答えて、テキストや画像などの生成物をつくり出すことのできるAI。生成AIとも呼ばれる)は、今まで人が手を動かしてこなしてきた「作業」の多くを代わりにやってくれる。それだけ人の手間が省かれ、業務が何倍も何十倍も効率化されるため、人間は「本当に人間にしかできない部分」に集中し、それを拡張していけます。
一方、ジェネレーティブAIの利便性は、あらゆる意味で仕事の「たたき台」をつくるところにあるため、「たたき台をつくる」的な人間の仕事は、AIに取って代わられていくと考えられます。
例えば下調べをする、下書きをつくる、草案を作成する、何かを手配するといった機械的、定型的、ルーティン的な作業をしている人、あるいは指示待ちの人、言われたことしかやらない人などは、活躍の場が減っていく可能性が高いのです。
ジェネレーティブAIが普及しても、ある職種がすぐに消滅するわけではありません。しかし、職業ごとに必要とされる人数は減っていくでしょう。
AIを使って仕事をすることで、作業的な労力は削減される。いわば仕事の構造が変わることで、今まで表層的な「勤務時間」「待遇」といった側面でしか語られてこなかった「働き方改革」が、もっと本質的な意味で起こるだろうともいえます。
では実際に、人間の仕事の構造、そして働き方はどう変わっていくのか。次に具体例を挙げていきますが、全体に共通するのは、今も述べたように、プロフェッショナルの仕事が「拡張」されることです。
ジェネレーティブAIを「パートナー」として使いこなすことで、プロフェッショナルの仕事は大幅に労力削減、効率化されるとともに、さらなる高みに達していける可能性も開かれます。ジェネレーティブAIによって人間の「仕事」「働き方」が大きく変わるといったのは、そういう意味なのです。
少なくとも今後数年間は、人間にとって、「ジェネレーティブAIの使用を前提とした働き方の可能性」を探る時期になるでしょう。ジェネレーティブAIを「脅威」「怪しいもの」として見るのではなく、まずは使ってみて「仲良く」なっていけるかどうかが、今後、いっそう飛躍する人と、停滞してしまう人の分かれ道になると思います。
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