いま世界の注目を集めるIT系起業家といえば、電気自動車大手テスラや宇宙開発企業スペースXを経営し、昨年ツイッターを買収したイーロン・マスクに違いない。マスクは最近、世界一の大富豪の座をフランスの高級ブランドグループ、モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン(LVMH)率いるフランス人実業家ベルナール・アルノーに奪われた。だがツイッターを買収してからは次々と大きな変化をもたらしており、その一挙手一投足が世界的に話題になっている。
そんなマスクを横目に、IT業界で主役の座を奪われた感があるのは、フェイスブック(現・メタ)創業者でインスタグラムやWhatsAppを運営するマーク・ザッカーバーグだ。
ザッカーバーグといえば、2021年に仮想空間のメタバースを普及させるべくフェイスブックの社名をメタに変更した。だがその試みはうまくいっておらず、メタバース関連だけで22年に137億ドル(約1兆9000億円)の赤字を計上、2万人以上のレイオフが明らかになっている。
さらに5月22日には、アイルランドのデータ保護当局が、EUの一般データ保護規則(GDPR)に違反したとして、メタに12億ユーロ(約1800億円)の罰金を科すと発表。踏んだり蹴ったりで、ザッカーバーグのビジネスが思うように進んでいないのだろうと想像が付く。もちろん起業家やベンチャーマインドの人たちは次々と新たなアイデアに投資をして、失敗もしながらイノベーションを生み出していくものだが、それでもザッカーバーグの現状は決して明るいものではない。
実は今、そんな苦戦気味の世界的起業家であるザッカーバーグが心のよりどころにしている意外なものがある。ブラジリアン柔術だ。
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