東海道新幹線の運休で大混乱、JR東海の対処は適切だったか杉山淳一の「週刊鉄道経済」(4/6 ページ)

» 2023年06月10日 09時00分 公開
[杉山淳一ITmedia]

臨時列車の新横浜発がほしかった

 全車自由席の「のぞみ」が到着。こちらもすでに満席。駅の業務放送は「乗車率130%、以降130%が続きます」と言っていた。少し緩和されているようだけど、なにしろプラットホームに人が多すぎる。列はちっとも動かない。私は5号車付近を離れ、15号車付近へ移動した。1〜3号車は大混雑で、座れる見込みがないならデッキに立つしかない。それならほかの指定席車両でもいい。駅の放送も、グリーン車以外の指定席車両に乗るよう案内している。整列乗車のラインはないも同然となっている。

 プラットホームの行列の中には高校生らしき制服のグループも見かけた。修学旅行だろうか。散々な経験だなと思ったけれど、ちゃんと修学旅行用臨時列車がやってきて乗せていった。これから行くのか、帰りなのか。この混雑のほかは、良い思い出になりますように。修学旅行臨時は4本あった。東海道新幹線の人気を実感する。いや、私と同じで、新幹線に対する信頼感があるのだろう。

 しかし、せっかく5本も全車自由席の臨時を出してくれたけど、どれもデッキまで満員で到着し、15号車辺りは多くて3〜4人しか乗れない。これでは新横浜駅の混雑は解消しない。上り線は回送列車がどんどん走る。どれかひとつでも新横浜発にしてくれたら、かなりマシになるだろうに。東急と相鉄の新横浜線が開業して、新横浜駅利用者はかなり増えている。そこを考えてほしかった。

 そこに輪をかけるように乗客トラブルだ。確か全車自由席列車の始めのほうの便だと思う。3号車で非常ボタンが押され、駅員が対応に追われていた。お客様対応という駅の放送が入る。おそらくケンカだろう。ただでさえ乗車に時間がかかっているというのに、出発がかなり遅れた。

列車の運行間隔が3分! のぞみ12本ダイヤの効果だ(筆者撮影)

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