エポック(東京都台東区)が手掛ける人気玩具「野球盤」の販売が好調だ。同社によると、3〜5月の平均販売数が前年比で2倍以上に増加。「侍ジャパン」こと野球日本代表が、野球の世界一決定戦「ワールドベースボールクラシック」(WBC)で優勝したことで、人気が再燃したという。WBC閉幕から2カ月余りが経過しているが、その後のプロ野球シーズンの到来や、米MLBでの日本人選手の活躍などで人気は続いている。
野球盤は、その名の通り、野球をテーマにしたボードゲーム。「ミスタープロ野球」と呼ばれ、巨人のスター選手として長年活躍した長嶋茂雄氏がデビューした1958年に誕生し、今年で65周年を迎える。盤上の投手が投げた金属製の球を、打者が打ち返すという玩具で、老若男女問わず高い人気を誇る。
発売以来、新たなギミックを搭載し、年々、商品は進化を遂げている。翌59年には、盤面に磁石を埋め込み「変化球」(シュート・カーブなど)を、72年には開閉式の本塁ベースを使った「消える魔球」をそれぞれ搭載。現在では野球盤の定番として定着している。
その後も、投手の投球が本物の様に飛ぶ「3Dピッチング機能」、 「カラー電光掲示板」、実況音声なども採用。野球としてのリアルさをより高めた。
同社の担当者は「メインの購入者は子ども」としつつも「WBCで侍ジャパンが世界一になったことで、幼少期に遊んだ大人が懐かしさから購入し、親子2世代で遊ぶケースも増えている」と説明する。少子化で玩具の市場規模が縮小する中、幼少期に遊んだ大人にも購入してもらえるよう「時代とともにリアルさを追求し、満足度を高めている」という。
WBC期間中は「品切れが相次ぎ、生産ラインをフル稼働させた」と担当者。「ここまでの反響は想定以上だった」と当時を振り返る。WBC閉幕から2カ月余りが経過したものの、大谷翔平選手の活躍などで野球が日常生活で話題になることも多い。現在も、WBC効果が続いている形だ。
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