過去最高業績を更新しているポケモン社。2023年2月期通期決算は、売上高が前期比14.8%増の2345億円、営業利益が11.4%増の666億円となっている。この一因には「ポケモンカードゲーム」(ポケカ)の爆発的ヒットがある。ポケカをはじめとしたトレーディングカードが遊戯目的やコレクション目的だけでなく、投資としての側面を擁していることは、周知の事実だろう。
ポケモンはゲームボーイソフト『ポケットモンスター 赤・緑』が1996年の発売から27周年を迎えており、当時子どもだった大人たちが今なお熱心に消費している。特にポケカは、かつては「コロコロコミック」を愛読していたような小学生向けのホビーだったが、今ではYouTuberのはじめしゃちょーさんや俳優の佐藤健さんがプレイしていることを公言するなど、大人も熱心に楽しむホビーに昇華した。
その過程の中で、特に「リーリエ」をはじめとした美少女キャラクターの人気が高まり、カードの価値を高めていった。カードの価値=需要が高まれば必然的に、そのカードが取引される際の価格も高騰する。1袋180円で手に入るパックから何万円もするカードを引けるとなると、ギャンブル性があるわけだ。
かつては「遊戯王オフィシャルカードゲーム」や「マジック:ザ・ギャザリング」といった大人向けのカードにコレクション性が見い出され、高い資産価値を擁していた。ポケモンは世界的なコンテンツであり、ポケカも潜在的な消費者が多いこともあり、カードの需要も相対的に他のトレーディングカードゲームより高まったのだ。
ポケカが高価格で取引され、転売対象になっていることは、昨今ニュースや新聞でも大々的に取り上げられるようになった。ポケカの資産価値としての側面が広く世間の目にとまったきっかけは、2023年2月13日放送のNHK『クローズアップ現代』だろう。番組内では史上最高額の7億2000万円で購入されたポケカが紹介された。ちなみに、遊戯王では「カオス・ソルジャー」というカードに約10億円という値段が付いたこともある。
では、なぜカード1枚にそこまでの価格がつくのだろうか。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング