カシオの電卓パッケージ「プラ→紙」に なぜ国によってデザインが違うの? 経済の「雑学」(2/3 ページ)

» 2023年06月17日 09時00分 公開
[土肥義則ITmedia]

海外のパッケージデザイン

 ところで、海外の電卓はどうなっているのかご存じでしょうか。先ほど「3年ほどの時間をかけて」という話を紹介しましたが、欧州では3年前に「プラ→紙」に変更しました。

 取材をしていて、興味深く感じたことは「パッケージのデザインが国によって違う」こと。冒頭で日本のモノは「実寸サイズを印刷」と書きましたが、欧米ではどのような特徴があるのでしょうか。

日本のパッケージは「原寸サイズ」を採用

 フランスでは、学校の先生が「このモデルを買ってきて」と生徒に伝えるそうです。で、生徒はお店に足を運んで「〇〇というモデルの電卓をください」と注文する。こうした行動をするので、電卓のパッケージにはメイン機能を大きく表示しています。

 英国では、カシオのシェアが9割ほどあるので、多くの消費者は使い慣れているそうです。パッケージには「UK’s No.1」という文言をプリントすることで、身近なブランドを手にとってもらいたい。デザインからそんな狙いがうかがえました。ちなみに、メイン機能を大きく表示していることは、フランスと同じですね。

フランスの電卓には「メイン機能名」が大きく描かれている
英国の電卓には「UK’s No.1」と記載されている

 米国でも、学校の先生が「電卓を買ってきて」と生徒に伝えるそうです。ただ、フランスでは「このモデルを」という話でしたが、米国では「この関数電卓を買ってきて」とカテゴリーで表現することが多いそうです。クルマで例えると、フランスは「レクサスかベンツにしてね」と言っているのに対し、米国は「高級車でね」といった表現で伝えています(考えてみると、フランスの例えは「ルノーかシトロエンにしてね」のほうがよいかもですね)。

 あと、サイズを気にする人も多いとか。「米国の人って大きいモノが好きだからなあ」と思われたかもしれませんが、そういった話ではありません。この作業をするので、電卓のサイズはこのくらいかな……といった考えです。というわけで、パッケージにはきっちりサイズが書かれています。

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