「ほったらかし調理家電」戦国時代 タイガー魔法瓶は20年ぶりに参戦、勝ち残るのは……?家電トレンド解説(3/3 ページ)

» 2023年06月21日 08時00分 公開
[小口覺ITmedia]
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「ほったらかし調理家電」戦国時代 勝ち残るのは……?

 TIGER COOKPOTの市場想定価格は2万4800円、販売数は初年度2万1000台、年間2万3000台を目標としている。

 「自動調理鍋は、コロナ禍の2021年にブームが来ましたが、それ以降は反動減により減少。われわれの調査では、今後は約30万台市場あたりで推移すると想定しています」(福富さん)

家電 カラーは2色展開(出典:プレスリリース)
家電 製品仕様(出典:プレスリリース)

 直近では、ホットクックのみであった「かきまぜ機能」も、パナソニックやアイリスオーヤマから発売され、選択肢は増えた。選び方も、まずは、かきまぜ機能のありなし、圧力調理に対応しているか否かが、最初に見るべきポイントだろう。主要な製品を下に図としてまとめてみた。

 かきまぜ機能は、炒め物も完全にほったらかしで調理できるが、価格は5万円前後が多い。一方、圧力調理はあるが、かきまぜ機能のない製品は、2万〜3万円前後が主流だ。パナソニックの「オートクッカー ビストロ」はその両方を備えているが、販売価格は8万円前後と最も高い。

 消費者がどちらを選ぶかは、予算と作りたい料理によっても異なるだろう。かきまぜ機能は、煮物や無水調理であれば必要ないが、チャーハンや野菜炒めなど、炒め物をほったらかしでおいしく作りたいなら必要だ。また、煮物料理でしっかりと味を染みこませたい、「時短」を重視するなら圧力機能を重視するだろう。

 さらに、自動調理鍋だけで調理を済ませたいのか、ガス調理などと併用するのか、使う人の調理のスタイルによっても変わってくる。コロナ禍を経て戦国時代を迎えた自動調理鍋、勝ち残るのはどの商品か。

家電 自動調理鍋の勢力図(著者作成)

小口覺(おぐち・さとる)

 雑誌、Webメディア、単行本の企画・編集・執筆などを手がけるライター・コラムニスト。自慢できる家電「ドヤ家電」(日経MJ発表の「2016年上期ヒット商品番付」前頭に選定)を生み出す。近年はマーケティングやR&Dの領域で取材・コンサルティングを手がける。著書に、『ちょいバカ戦略: 意識低い系マーケティングのすすめ』(新潮社)など。


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