注意点として、残高には有効期限があり、キャッシュ残高は最後に使用またはチャージしてから48か月間とプリペイドカードとしては標準的ですが、マイル残高は12か月間と短くなっています。
ANA Payの画面上でカード番号を表示するときや、Apple Payによる決済時には「Face ID」などの生体認証で守られています。この点はスマホを紛失しても安心できます。
しかしインターネット上でのカード決済については、他社のアプリが提供しているようなカードの一時停止や上限設定といったセキュリティ機能は備えていないとのことです。
最近、増加が目立つ不正利用に対しては、60日以内に報告するなど一定の条件のもとで補償されることが規約に定められています。残高と利用履歴はこまめにチェックしたほうがよいでしょう。
サービス開始にあわせてキャンペーンも始まり、最大6万円をチャージするなど一定条件を満たすことで合計1万マイルが還元されます(Androidユーザーはリリース後に参加可能)。
主催がANAと三井住友カードに分かれていることもあり、条件は複雑ですが、既存のANAカード利用者も対象となっていることから、まずは「ANAマイラー」にANA Payを体験してもらいたいという姿勢がうかがえます。
また、新規の利用者向けには、まずは登録が簡単なANA Payを入り口として、そこから本格的にマイルを貯めたい人にはANAカードをおすすめしていく、という方針のようです。
他の航空会社の会員でも、たまたまANAのマイルを獲得した場合、余らせるくらいならANA Payで使うことでANAの経済圏に触れる、といったケースも考えられます。
アプリの出来はやや荒削りな部分が見え隠れするものの、ANAの経済圏が拡大するきっかけになるかもしれない熱量が感じられるローンチといえそうです。
【追記:6月28日、Android版のアプリがリリースされました。Google Playストアでダウンロードできるようになっています】
1979年生まれ。10年間のプログラマー経験を経て、フリーランスのITジャーナリストとして2012年に独立。主な執筆媒体は日経クロステック(xTECH)、ASCII.jpなど。取材を兼ねて欧州方面によく出かけます。
ヤフーニュース個人:「ITジャーナリスト2.0 山口健太」
Twitter:@yamaguc_k
公式Webサイト:山口健太
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