驚異的な成長続けるドラッグストア業界 強みはどこにあるのか品ぞろえから探る(2/3 ページ)

» 2023年06月30日 05時00分 公開
[佐久間 俊一ITmedia]

ドラッグストアが強いゾーンは?

 生活習慣病対策が求められる日本の市場環境の中で、ドラッグストアが担っている領域はどのようになっているのでしょうか。次の図に示すように、身体的対策の必要性と購買頻度の高い商品群を取り扱っていることが分かります。

 定期健康診断で分かる項目に、尿酸値、脂質(中性脂肪・コレステロール)、肝機能などがあります。これらの数値から要生活改善と診断された人に適した商品があることで、目的来店が多いことも予想されます。さらにカビ・虫対策商品、ペット関連商品など、ホームセンターに置いてあるカテゴリーまで拡充し利便性を高めています。

 小商圏型の業態であるコンビニエンスストアとドラッグストアは競合でもありますが、隣接している場合には相互集客にもつながります。セブン-イレブン・ジャパンは創業50周年を迎え、4つのビジョンを発表しました。その一つめに掲げているのは「価値ある商品・サービスを通じて、健康な社会を実現する」です。飲料やお菓子、カップ麺、栄養ドリンクなど重複するカテゴリーも多い両業態ですが、今後NB品も含めて健康に貢献する商品開発、仕入れを行い、健康管理アプリなどサービス面でも支援を図ることに期待が集まります。

売場面積を分析

 次に品ぞろえと売場面積を見てみましょう。次のグラフはコンビニとドラッグストアの面積を比較したものです。それぞれ、都内にある1店舗を抽出したものなので、これが全店に当てはまるわけではありませんが、ドラッグストアとコンビニの重なり合っているカテゴリーと差別化としているカテゴリーが見てとれます。

 ドラッグストアは美容・化粧品関連の売場が47.6%、医療品8.2%、健康関連6.1%、日用品が38.0%という構成です。一方、コンビニは日常の食関連が81.4%、日用品・文具6.8%、雑誌5.1%、化粧品・オーラル関連4.2%、健康関連2.5%です。

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