東京駅に「立ち食いそば」が少ないのはなぜか経済の「雑学」(3/4 ページ)

» 2023年07月13日 07時00分 公開
[小林拓矢ITmedia]

新宿駅、上野駅とのビジネスモデルの違いは?

 東京の主要ターミナルは、東京駅の他に新宿駅と上野駅がある。

 新宿駅は、JR東日本で最も乗車人員の多い駅である。だが新宿駅の改札内には、駅そばは「そばいち」の1軒しかなく、ほかにカフェがある程度だ。新南口「NEWoMan」改札内には総菜や弁当、菓子などを扱う店はあるものの、カフェやレストランは3軒しかない。新宿駅の改札内は飲食店が多い、とはとても言えない状況なのである。

新宿駅から少し行けば飲食の人気エリアが多数ある

 背景には、新宿発の長距離列車の多くが中央線方面であり、列車も30分に1本間隔なのでそれほど多くの飲食店を必要としない状況がある。

 では上野駅はどうか。上野駅改札内には「エキュート上野」がある。飲食店は複数あって、弁当の扱いも充実している。立ち食いそばは、改札外に「いろり庵きらく」が、改札内に「爽亭」「大江戸そば」がある。

いろり庵きらくの「かき揚げ天玉そば」(出典:公式サイト)

 上野駅は常磐線特急や東北・信越方面への新幹線が発着している。東京駅に近い存在だが、どこか飲食店は庶民的な品ぞろえとなっている。

 新宿駅と上野駅と比べて、東京駅はどうなのか。筆者は、東京駅は「ハレ」の駅ではないかと考える。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.