ちなみに、生産されたセンチュリーには、1台ずつ全てに「ヒストリーブック」が保存されています。誰が、いつ生産作業を行ったのか、検査はどうであったのかという記録が残されているのです。
これほど手間暇かけて生産するクルマは、他に見たことがありません。正直、作業する時間を考えると、とうてい儲かるようには思えず、まさに損得抜き。執念という言葉さえも思い起こさせるほどの徹底さで、最高級を追求するクルマ。それがセンチュリーです。
そのセンチュリーにSUVバージョンが用意されれば、そのユーザーはさらに広がることは間違いありません。日本だけでなく、世界展開する可能性さえ考えられます。
また、今年になって新型「アルファード/ヴェルファイア」やレクサス「LM」など、突然のように、ショーファーカー(専用運転手付きのクルマ)の登場が続いています。見方を変えれば、富裕層に普通の高級車だけでなく、さらに上のステータスとしてショーファーカー(専用運転手付きのクルマ)を提案するというトヨタの戦略ともいえるでしょう。
よりプレミアムなクルマを用意することで、トヨタというブランドの価値をさらに高める。そんな狙いがあるのかもしれません。今後のトヨタの動向には要注目です。
1966年9月生まれ。茨城県出身。国学院大学卒。大学卒業後に一般誌/女性誌/PR誌/書籍を制作する編集プロダクションに勤務。28歳で独立。徐々に自動車関連のフィールドへ。2003年にJAF公式戦ワンメイクレース(マツダ・ロードスター・パーティレース)に参戦。新車紹介から人物取材、メカニカルなレポートまで幅広く対応。見えにくい、エンジニアリングやコンセプト、魅力などを“分かりやすく“深く”説明することをモットーにする。
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