任天堂の家庭用ゲーム機「ファミリーコンピュータ」(ファミコン)が、1983年7月の発売から40周年を迎えた。任天堂が特設サイトを開設し、熱烈な「ファミコン信者」たちが当時に思いをはせている。
ファミコンといえば、『スーパーマリオブラザーズ』など当時の名作ソフトに注目が集まりがちだが、関連商品の豊富さでも知られる。その代表格がプログラミング可能な機器「ファミリーベーシック」。当時としては異色の商品で、人気ソフトのように事業として爆発的なヒットを記録したとは言い難いものの、後の人気ゲームの“生みの親”という輝かしい功績を持つ。
ファミリーベーシックはプログラミング言語「BASIC」を使用して、オリジナルゲームや音楽を制作できるファミコン関連機器。ファミコン販売元の任天堂に加え、家電メーカーのシャープ、ゲームメーカーのハドソン(現KONAMI)の3社が共同開発し、84年6月に発売した。なお、同年1月には米アップルが「Macintosh 128K」を発売している。
キーボードとデータ保存用のROMカセット、プログラミング教本がセットになっており、ファミコンとつなげることで、ゲームパソコンのように使用できる。使用時にはテレビがモニター、キーボードがコントローラー代わりになる。
キーボードで決まったソースコードを打ち込めば、マリオなどがプログラムに基づき自由に動く。ROMカセットはバックアップ用途で乾電池でも駆動し、容量は約2KB(0.002MB)。別売りの「ファミリーベーシック専用データレコーダ」にカセットテープを入れると、本体で作成したプログラムデータを保存できるようになっていた。
ただ、当時はプログラミングが一般的ではない時代。ゲームに熱中する主要層の子どもたちが扱うには難易度が高いものだった。そこで活躍したのが、電波新聞社が発行するパソコン専門誌『マイコンBASICマガジン』。誌面で、ゲームのソースコードを掲載しており、同じ文字列を打ち込むことでゲームをプレイすることができたという。読者投稿も受け付けており、掲載を目指して腕を磨いた読者もいただろう。
翌85年2月には、進化版の「ファミリーベーシックV3」を発売。同商品は、旧商品と異なり、ROMカセット単体での販売だった一方、容量が4KBに倍増した他、難易度の高さが課題だった前作の反省を生かし、「マリオワールド」「ペンギン迷路」など4つのサンプルゲームを収録していた。
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