製薬業界に特化したニュースメディアを運営するクイック(東京都港区)は、国内の製薬会社85社を対象とした平均年収ランキングを公開した。平均年収が最も高かったのは、昨年3位から順位を上げた「そーせいグループ」(1344.7万円)だった。
2位は「モダリス」(1340.9万円)、3位は2016年度から6年連続トップだった「ソレイジア・ファーマ」(1310.0万円)で、バイオべンチャー企業が上位3社を占めた。4位は「中外製薬」(1214.3万円)、5位は「シンバイオ製薬」(1208.2万円)となった。
1位のそーせいグループは、GPCR(Gタンパク質共役受容体)と呼ばれるタンパク質を標的とした創薬に特化した創薬ベンチャー企業。ライセンスアウトによるビジネスを展開していて、15年以降の累計ライセンス収入は世界の製薬/バイオ企業で3位、国内ではトップである。トップ3の企業で22年12月期に営業黒字となったのは「そーせいグループ」だけだった。
集計対象85社のうち、一般的に大台とされる1000万円を超えたのは13社だった。昨年のランキングで1000万円を超えた11社に「ジーエヌアイグループ」と「エーザイ」の2社が加わった。
前年からの年収増加額が最も大きかったのは「モダリス」(増加額196.4万円)だった。2位は「ジーエヌアイグループ」(同149.9万円)、3位は「エーザイ」(同130.1万円)となった。
一方、年収減少が最も大きかったのは「ソレイジア」(減少額180.0万円)だった。2位の「大幸薬品」(同139.2万円)は、主力製品「クレベリン」の需要減で2期連続の営業赤字となり、2年連続で100万円以上減少した。3位は「サワイグループHD」(同86.7万円)だった。
調査の集計対象は、7月7日時点で直近の事業年度の有価証券報告書を公表した国内の製薬会社85社。新薬メーカーのほか、後発医薬品メーカーやOTC(一般用医薬品)メーカー、バイオベンチャーが含まれる。ランキングに用いたのは、22年4月期〜23年3月期の有価証券報告書に記載されている従業員の平均年収とした。
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