「高校生の就職先」どうやって決まるの? 大学生とは違う「3つ」の仕組み経済の「雑学」(1/3 ページ)

» 2023年07月27日 09時00分 公開
[土肥義則ITmedia]

 大学に通う就活生は「やれやれ」といったところでしょうか。就活情報大手のディスコが行った調査によると、大学生(2024年卒業予定)の内定率は8割を超えたそうで。この調査は6月6日に発表されたものなので、多くの学生はいまごろ「卒業旅行はどこに行こうか?」といった話をしているのかもしれません。

就活が終了した大学生も多いのでは(出典:ゲッティイメージズ)

 ところで、就活のルールはいま、どうなっているのでしょうか。行政、経済団体、学校による三者協定は1996年に廃止されたものの、経団連に加盟している会社は毎年3月に採用情報を公開して、6月に内々定を出すルールとなっています。とはいえ、現実はいわゆる“青田買い”などが横行していて、「ルールは形骸化している」といった声も。

 ここ数年「売り手市場」が続いていることもあって、大学に通う就活生は内定を獲得しやすい状況のようですが、高校生はどのような状況でしょうか。厚生労働省によると、今年3月末の求人倍率は3.49倍で、統計を取り始めた1998年以降、過去最高となりました。

高校生の求人倍率が過去最高(出典:厚生労働省)
高校生の就活の仕組み(出典:ジンジブ)

 このような数字を目にすると、「日本って景気がいいのね」「それとも人手不足が深刻なのかしら」などと思われたかもしれませんが、ちょっと疑問がわいてきました。高校生って、どうやって就職先を決めているのでしょうか。

 調べてみると、大学生のようにさまざまな情報を得て、自由にたくさんの会社を見て回ることは難しいようです。多くの高校生は学校に届く「求人票」の中から、進路指導や担任の先生から「この会社はどうだ。お前に向いているぞ」などと言われて、紹介してもらうのです。

 さらに取材を進めていくと、大学生と違って高校生は特殊な仕組みのうえで、自分の就職先を決めていることが分かってきました。

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