街で見かける「生搾りオレンジジュース自販機」 どういった仕組みなの? 運営元に聞いた経済の「雑学」(3/5 ページ)

» 2023年07月29日 08時30分 公開
[小林香織ITmedia]

システムで徹底管理するオペレーション

 アイジュース社が自社の優位性としてあげたのが、ハードとソフトのどちらも自社開発できる技術力と施設だ。日本で展開するミー・グループ・ジャパンをはじめ、生搾りオレンジジュースの自販機を運営する企業は国内外に存在するが、ほとんどは他社からマシーンを購入して運営しているという。

日本支社社長のゲヴィン・リ(Gavin Lee)氏(左)と営業課長の守木彬人氏(筆者撮影)

 日本支社で社長を務めるゲヴィン・リ(Gavin Lee)氏が、自販機の仕組みを明かしてくれた。

 「当社の自販機にはSIMカードが入っていて、常にインターネットに接続されています。自社開発したシステムでは、オレンジやカップ類の在庫、自販機内の温度、販売数、販売時間、清掃・点検の担当者と実施時間、自販機内で起きたエラーなど、あらゆる情報が一元管理されています」

 システムで徹底管理しながら自社でオペレーションも行う。テクノロジーによって売り上げ予測の精度向上やコスト削減をかなえているため、他社より低価格で提供できるのだ。さらにコンスタントにアップデートを行い、マシーンやソフトの性能を高めている。現在のアイジュースは第4世代で、近々、第5世代もローンチするとリ氏は話した。

目には見えづらいが、さまざまなテクノロジーによって低価格を実現している(筆者撮影)

 7月末時点で約30台が稼働しており、4月の上陸から約3カ月で6万杯を売り上げている。「人通りがある場所なら、どこでも利益が出せると考えている」と守木氏は自信を見せる。

 「設置にあたっては、場所の提供と電気代を負担いただき、売り上げの10%をパートナーさまにバックするのが基本です。ただ、オフィスではバックなしで置きたい企業さまがいるかもしれません。福利厚生や税金対策などのメリットがあると思います」

 現状は商業施設や駅のほか、スポーツジム施設、ホームセンター、DMM.com社のオフィスなどに置かれている。今後、認知度が高まるにつれ、オフィスへの導入が増えてくるのかもしれない。

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