ゆで太郎は、FCを中心に全国展開を目指すゆで太郎システム(東京都品川区)と、東京の都心部で店舗展開する信越食品(東京都大田区)で運営している。
大手各社の挑戦を受けているゆで太郎の動向を見てみよう。
信越食品が1号店の湊店(既に閉店)を東京都中央区にオープンしたのが1994年。同社の創業者でそば職人だった水信春夫氏は、「挽き立て」「打ち立て」「茹で立て」の三たてにこだわった。そして、そばが日常食となるように廉価で提供できる仕組みづくりにも注力した。
マニュアルを完成できたのは、ほっかほっか亭の取締役FC本部長などを歴任した池田智昭氏の貢献が大きい。
2007年、千葉県市原市に初の郊外ロードサイド店を出店して成功。以降は主に郊外店を中心に出店を重ねている。
東京都内23区の駅前であれば「富士そば」「小諸そば」などの強力なライバルが存在するが、郊外はがら空きで一人勝ち状態だった。
ゆで太郎のメニューは「かけそば」と「もりそば」が430円、「野菜かきあげそば」が550円などとなっている。人気のミニ丼とのセットは、ミニかつ丼やミニ三海老天丼とかけまたはもりのセットは830円だ。
価格帯は八郎そばや蕎麦処大戸屋と異なる。二代目長助と価格帯は被るが、ゆで太郎はセットになるミニ丼が、カレーも含め10種類と豊富。厳密に競合といえるかは微妙なところ。
しかも、ゆで太郎は20年より「もつ次郎」併設店を展開し始めた。もつ次郎はもつ煮やもつ炒めの定食が760円〜と手軽に食べられる食堂の業態。すでにもつ次郎併設店は132店に上り、ごはん物が強化されている。売り上げ増、店舗効率化、新規顧客開拓などといった効果が出ている。
競合他社がまねできない、差別化に成功したといえるのではないだろうか。
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