駅そばに限らず、東京都心部にチェーン展開している富士そばは、コロナで20店近くを閉店。小諸そばも京橋の1号店をはじめ、秋葉原、新川、東池袋、飯田橋などの店がドミノ倒しのように閉店した。
大手ばかりでなく、十割そばの立ち食いという独特な位置付けにある嵯峨谷も10店中半数の5店が閉店した。店内で石臼から粉を引いて製麺、わかめが無料で取り放題というサービスは、二代目長助が始める前から嵯峨谷に存在していた。
嵯峨谷もコロナの影響が減って8店にまで盛り返してきた。店にもよるだろうが、コロナ前の客数に届いているかどうか。
富士そば、小諸そば、嵯峨谷のような実力派チェーンをもってしても、なかなか大都市の駅前、駅近くで営業して売り上げを伸ばすのは難しい。終電が早くなり、はしご酒の後、立ち食いそばで締めて帰る文化がなくなってきた。
高齢化が進む郊外で、シニアや三世代のファミリー客を狙うロードサイド型へと、日本そばチェーンの主流が変化している。
長浜淳之介(ながはま・じゅんのすけ)
兵庫県出身。同志社大学法学部卒業。業界紙記者、ビジネス雑誌編集者を経て、角川春樹事務所編集者より1997年にフリーとなる。ビジネス、IT、飲食、流通、歴史、街歩き、サブカルなど多彩な方面で、執筆、編集を行っている。著書に『なぜ駅弁がスーパーで売れるのか?』(交通新聞社新書)など。
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