では、どうするのか。現場の尻を叩いて、「限界」を超えた力を出させて数字をつくっていくしかない。
「結果」を出せない店長は即座に降格する。異論を挟む者は飛ばす。重いノルマを課して、それを達成できない者たちに「文句を言わず、これをやるしかお前らが生きる道はない」と叩き込む。つまりは「恐怖政治」をするしかない。
「教育教育死刑死刑」などの異常な“叱責LINE”ばかりがフォーカスされるので、宏一前副社長の人間性に問題があるかのような論調も多い。ただ、これまでさまざまな2代目社長、3代目社長を見てきた経験から言わせてもらうと、彼らも彼らなりに精神的に追い込まれているケースも少なくない。
もともとは育ちのいいお坊ちゃん、恵まれた家庭で育ったおっとりとした性格の人間が、父の会社に入って「後継者」になった途端、その重圧から人が変わったようにえらそうに振る舞ったり、社員に高圧的な態度で接したりすることは珍しくない。
暴力やハラスメントというものは、水と同じで上から下に流れる。現場の作業員が修理で不正をしていたのは、工場長が指示をしていたからだというが、その工場長には店長などがプレッシャーをかけていた。そして、店長には、宏一副社長らロイヤルファミリーが降格をちらつかせて「恐怖政治」をしていた。
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