社内報の1コーナーだったサラ川が、一般向けの企画として立ち上がったのは1987年。「これだけ社員に好評ならば世間の皆さまにも喜んでいただけるのではないかと、一般向けに企画・実施することになりました」(井出さん)
こうして一般向けに始まった第1回には、約3万句もの川柳が寄せられました。開始当初からメディアでも取り上げられるなど話題になり、いつしか「サラ川」という愛称も定着するようになったそうです。
応募された作品はまず、同社の社員で構成された選考委員により100句まで絞られます。130人ほどの選考委員は、若手からベテランまでの幅広い年齢層で構成されているそう。こうして選ばれた100句を公開し、一般投票によって受賞作品が決まります。
受賞作品にはどのような特徴があるのでしょうか? 井出さんによれば、特徴は大きく2つ。「情景がぱっと思い浮かぶような、共感が得られる作品」「クスっと笑ってしまうようなユーモアあふれる作品」が選ばれる傾向にあるそうです。筆者が今回の入賞作品の中でクスっとしつつ共感したのは、第31位の「えっ!まじか! 今日の歩数は 80歩」。リモートワークで運動不足になりがちな上、連日の暑さで休日でもあまり外に出たくない筆者を体現する一句でした。
サラ川には、地元ならではあるあるを盛り込んだ川柳「ジモサラ」や、応募者を20代に限定し、今時の若者言葉を使った川柳「イマサラ」といったスピンオフ企画も開催されています。今後は「今までよりもっと、老若男女が投票や応募できるような企画にしていきたい」(井出さん)と考えているそうです。
今年から、名称新たに再スタートを切ったサラ川。来年のコンクールにはどんな川柳が登場するのでしょうか?
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