「人当たりはいいけど本音が見えないから、どこまで踏み込んでいいか分からない」
「もうちょっと自分から仕事を取りに行ってほしいが、強くは言えない」
筆者が開発を担当する企業研修では、90年代後半以降生まれのZ世代への関わりに悩む管理職の声をよく耳にします。創造性や社会貢献意欲が高いとされるこの世代の力を、積極的に事業成長につなげていきたいと考える企業も増えています。一方で、その力を十分に引き出し切れず、逆に若手のメンタル不調や早期離職などの問題に頭を悩ませている上司も少なくありません。
“Z世代のトリセツ”はメディアにあふれていますが、もちろん万能薬ではありません。例えば「Z世代は褒めて伸ばせ」という助言に従い、とにかく否定せずに褒める、傾聴するといった対応を続けても、それだけではなかなか本人の仕事の成果は上がりません。
結局上司や先輩社員がいつまでもフォローしなければならず、負担が増します。同時にメンバー本人も「褒めてはもらえるけど、自分は成長できていないのでは」と不安になり、お互いにとってよくない状態に陥ってしまいます。
このように「〜した方がいい」「〜してはいけない」という言説だけを実行しようとしてもうまくいかないことが多いものです。上司の側からすれば、無理をして若者に合わせてコミュニケーションしたにもかかわらず、成果が出ないばかりか、最悪の場合には退職されかねないとなると、やりきれません。
ではどうすれば、若手社員が本来持っている力を引き出しながら、成果につなげられるのでしょうか?
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