東京のターミナル駅は大きい。そして複雑だ。その複雑さは、駅によってもさまざまだ。
都内の駅が複雑で迷いやすく困っている、という人は多い。ホームに降りてから、どのルートで行けば目的の出口までたどり着けるのか迷う、という声も聞く。
だが、そんな人に対して、巨大な世界都市・東京は厳しい。駅はコンパクトにならず、複雑さをまず利用者が受け止めないことには、どうにもならない。
では、なぜ東京の主要駅は、複雑になったのか。150年を超える鉄道の歴史で、鉄道とそのビジネスが発展し、駅は大きくなり、複雑になるしかなかったのだ。
よくSNS上では、鉄道開業当時の品川駅のホームの画像が流れてくる。2面2線で行き違いが可能な構造の、シンプルな駅である。もちろん、当時は単線だ。
それから長い年月が経ち、品川駅はJR東日本、JR東海、京急電鉄のホームが多くある駅となり、今後はリニア中央新幹線や、地下鉄のホームが完成する予定となっている。
東京に限った話ではないのだが、おおむね東京の大きな駅は、このような発展の歴史をたどっている。
分かりやすいのが新宿駅だ。新宿駅がある場所を振り返ると、そもそも江戸時代は「江戸」の範囲内に入っていなかった日本初の私鉄「日本鉄道」が1885年に品川〜赤羽間を開業した際に、新宿駅が設けられた。当時の山手線は単線だった。
その後、1889年に甲武鉄道が新宿〜立川間を開業。もちろん単線だ。今となっては信じられないほど小規模な駅だった。鉄道国有化、新宿駅周辺の路線の複線化、旅客線と貨物線の分離など、次々と発展を遂げていく。中央線の都心から中野までの複々線化で、現在の元となる駅ができていった。
東京駅に「立ち食いそば」が少ないのはなぜか
「ラウンドアバウト」ってなに? JR新宿駅で人がぶつからないように実験
次の「新幹線」はどこか 計画をまとめると“本命”が見えてきた?
“期待外れ?”の京阪電鉄中之島線はこのままなのか 再生のカギは2つ
江ノ電の名物「12分ダイヤ」はなぜ終了したのか 70年も続いたのにCopyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング