「コメダ珈琲店」は略称だった 創業者の思いが詰まった正式名称とは?経済の「雑学」(2/2 ページ)

» 2023年08月11日 08時00分 公開
[菊地央里子ITmedia]
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人気定番メニュー「シロノワール」は造語

 先ほども登場しましたが、コメダ珈琲店の創業者は加藤太郎氏。「コメダ珈琲店という名前だから、創業者は米田さんだと思っていた」という声が聞こえてきそうです。

 創業者である加藤氏の実家は米屋さんを営んでいました。当時、家業と名前から「米屋の太郎」と呼ばれてたそうです。それがいつしか「コメヤのタロウ→コメタ」と訛り、いつしか「コメダ」になりました。

komeda 1号店・菊井店(同社提供)

【訂正:2024年4月10日18時40分 「1号店・菊井店」の画像に誤りがあり、正しい画像に差し替えました。お詫びして訂正いたします。】

 ちなみに、人気定番メニュー「シロノワール」は1977年に誕生。名古屋市瑞穂区に初のロードサイド店舗がオープンした際にできたメニューです。黒っぽいデニッシュ生地の上に白いソフトクリームがのった見た目から、フランス語で“黒”を意味する“ノワール”と組み合わせて、白+黒(ノワール)=シロノワールと名付けられました。また、温かいデニッシュと冷たいソフトクリームの相反する2つを組み合わせているという意味も込められているそうです。

komeda シロノワール(公式Webサイトより引用)

 一般的なデニッシュ生地は24層や32層が主流ですが、シロノワールに使用するデニッシュは64層に仕上げています。「デニッシュパンにのせたソフトクリームが、しっかりと生地になじむようにしました」(深堀さん)

komeda シェアできる通常サイズとデザート向けのミニサイズを用意(公式Webサイトより引用)

 コメダ珈琲店を展開するコメダホールディングスは、7月にグループ全体で1000店舗を突破しました。コロナ禍や値上げに苦しむ飲食業界において、着実に成長を続けています。名古屋発祥のモーニング文化や独自のメニュー、「街のリビングルーム」と称する他のカフェチェーンにはない店内設計を武器に、2025年には1200店舗まで拡大することを目指しています。

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