筆者もPayPayをよく利用しているが、マルエツでPayPay決済が続き疲弊している店員さんを見ると、申し訳ない気がして現金やカードで支払うときがある。現金払いのほうが店員さんの負担が少ないし、熟練のレジ打ちの人ならば小銭を扱っても、PayPayの半分以下の時間で終わるからだ。
ただ、このくらいの渋滞はまだマシかもしれない。先日、ダイエー系列「foodium(フーディアム)」を利用したら、“PayPay事故”ともいうべき悲惨な光景を目の当たりにした。
筆者が訪れた店舗では、店員が商品バーコードを読み込んで、支払いは客が精算機で行う、いわゆる「セミセルフレジ」が導入されていた。このシステムを最近多くのスーパーが導入しているのは、店員の負担軽減はもちろん、客側もレジ待ち時間にイライラしなくて済むことが大きい。
店員はバーコードを読むだけなので、客が精算機でお会計をしている間に次の客をさばくことができる。そのため、1つのレジに精算機が2台置かれることも少なくない。
だが、そんな店員にも客にも便利なシステムが、PayPay利用者によって「機能不全」に陥ってしまう。ある客が精算機の前でPayPayで支払おうとしていたところ、なんと驚くべきことが起きた。店員がレジを放ったらかしにして、精算機で会計をする客の隣にまでついてきたのだ。
店員は自分の首から下げているIDカードのバーコードを、精算機のスキャナーでピッと読み込む。次にレジで印刷されたレシートを注意深く見ながら、手に持った端末に金額を打ち込んで、やはり間違いがないか指さし確認をする。
そして、端末を客のスマホにかざして、カメラでQRコードを読み込む。すると、程なくして「ペイペイ」という音がして、精算機から明細が印刷される。それを精算機から印刷されたレシートと合わせてステイプラーで止めて、「ありがとうございました」と客に手渡していた。マルエツでやっていたアクションを今度はわざわざセルフレジの前まで移動してやっているのだ。
もちろん、この一連のプロセスの間、次の客はレジの前で「ぼーっ」と待っているしかない。レジの列の中には、明らかに不機嫌そうにそのやりとりを見つめて、ため息をつく人、チッと舌打ちをして別のレジの列に移動する人もいた。レジ渋滞どころか、モンスタークレーマーが現れて怒鳴り散らすなどして完全にレジがストップするような感じで、「事故」が起きたようなムードが漂っていたのだ。
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