今回、代替卵の味わいにおいては一定の評価を得たものの、「おいしさの面でのハードルは、まだまだある」と吉田氏は言う。
「コンビニに来ているお客さまの要望を踏まえると、健康などの文脈より”おいしさ”を追求していくほうが手にとってもらいやすく、認知が高まると思っています。じゃあ、どんなおいしさを求めていくかというと、2種類あるなと。
1つは鶏卵を目指していくおいしさ、もう1つは代替卵としてのおいしさ。新しいカテゴリーの卵として別のおいしさを追求するイメージですね。今回の商品は、代替卵のマイナスをゼロに近づけて鶏卵と遜色ないおいしさを目指しましたが、今後の改善の方針は模索中です」
国内で流通している代替卵を調べると、いくつか先行商品があった。キユーピーでは、大豆ベースの「HOBOTAMA」(ほぼたま)を2021年6月に提供開始している。業務用の販売からスタートし、22年3月からは一般発売もスタート。「HOBOTAMA 加熱用液卵風」(60g、182円)と「HOBOTAMA スクランブルエッグ風」(60g、214円)の2種類をオンラインで扱っている。
プラントベースフードブランドの2foods(トゥーフーズ)を運営するTWO(トゥー)社では、カゴメと共同で人参や白いんげん豆を原材料とした「Ever Egg」(エバーエッグ)を開発。23年4月から常温タイプ(130g、398円)を2foodsオンラインショップや全国のスーパーマーケットなどで発売している。
いずれも、アレルギーにより卵を食べられない人やプラントベースフードを提供しているホテルや飲食店から需要があるようだ。鶏卵の供給不足や価格高騰により、興味を持った人もいたかもしれない。
「鶏卵と同じくらいか、それ以上においしい」「コレステロールが低く、鶏卵と同等のたんぱく質が摂取できるなど栄養面でメリットがある」「価格帯が鶏卵と同等かそれ以下」といった条件が代替卵でクリアできるようになれば、より広く浸透する可能性がありそうだ。
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