この記事は、Yahoo!ニュース個人に8月20日に掲載された「現在のPS5の売れ行きは? ソニーのゲーム事業を決算から考える」に、編集を加えて転載したものです(無断転載禁止)。
ソニーグループの2024年3月期第1四半期(4〜6月)決算が発表されました。全体では増収減益で、ゲーム事業「ゲーム&ネットワークサービス」は、いつも通り全体の業績をけん引していました。ゲーム事業の視点で、もう少し考えてみます。
ソニーグループ全体の売上高は約2兆9636億円(前年度比32.9%増)、本業のもうけを示す営業利益は約2530億円(同30.6%減)。金融と映画事業の大幅な減益が響いたためです。
ゲーム事業の売上高は約7719億円(同28%増)で、営業利益は約492億円(同7%増)でした。世界累計出荷数が4000万台を突破している家庭用ゲーム機「PS5」は、商品そのものの価格が高いため売上高は伸びます。しかし製造コストが高いため高い利益にするのは難しく、ソフトで稼ぐのがビジネスの仕組みです。
ソニーグループのゲーム事業の営業利益率は約6%。ゲーム事業の先々を見据えて巨額買収をしていることを考えると、妥当なところでしょうか。意地悪な見方をするのであれば、任天堂(今四半期の営業利益率は40%超)と比較するわけですが、そうなると、どの企業も物足りなくなります(笑)。
ソニーのゲーム事業は、月間のアクティブユーザー数も開示しています。頭打ち感はあるものの、新型コロナウイルスの巣ごもり需要で増えた「上乗せ」をそれなりにキープして推移しています。そして、ソフトもデジタルを中心に売り上げを伸ばし、有料コンテンツの数字も前年同期比を上回りました。
そしてゲーム事業の通期予想ですが、売上高予想は当初の3兆9000億円から、4兆1700億円に上方修正しました。営業利益は2700億円の据え置きなので物足りなさはあるものの、売上高の規模が伸びているのは喜ばしいでしょう。
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