直近の売り上げは約2300億円、営業利益率も30%超えとなんともすばらしい数値だと思います。売り上げ1000億円を超えて以降も年次平均売上成長率の平均は20%超を記録しています。
創業以降20年以上も堅調な成長を続けてきたエムスリーですが、その躍進はどこまで続くのでしょうか。同社の決算書の発表内容を参考にしながら考察してみます。
同社が発表しているセグメント別の売り上げを見ると、メディカルプラットフォーム事業(MR君など製薬会社のマーケティング支援や営業のDX支援)がまだまだ売り上げの主力のようです。そして、それに次ぐ大きな柱に育ってきているのが海外事業です。
逆にエビデンスソリューション(治験)やキャリアソリューション(人材)は、売り上げ規模としてはあまり大きな変化は見られません。
18年以降、事業セグメントとして独立して扱われているサイトソリューション(病院・クリニックなどの経営・運営支援)も見逃せない規模なものの、直近の成長率が安定していないようなので、ここでは現状の事業の2本の柱について考察していきます。
同社の発表では、創業以来のMR君事業自体の同社における売り上げシェアは低減していく、とのことですが、製薬会社のDX化全般の支援事業は前述の通り成長中です。特にコロナ以降は製薬会社の営業活動のDX化意識も高まり、大きく成長しているようです。
では、どこまでこのセグメントの売り上げは成長するのでしょうか。同社の発表によると、以下の通りです。
今後は製薬会社の「商品」でなく「会社自体」を支援する存在を掲げているようで、印象としては「医療業界特化のコンサルファーム」というポジションを確立しようとしているように感じます。
同社の今後の戦略発表によると「社内のプロジェッショナル人材を今後数年で数倍以上に増やす」ということなので、上記の考えに大きなズレはないのでは? という気がしています。
また人材採用進捗が好調だという発表もしています。今後同社が製薬会社の「インターネットマーケティング支援者」から「包括的なDX化支援企業」としてさらなる成長を遂げるか否かが成長を左右するキモになりそうです。
実際にそれが叶うのであれば、現状約1000億円弱の同セグメント売り上げはTAM全体からすると10%程度なのでまだまだ成長の余地がある印象を受けます。
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