なぜ、ここまでコストをかけて実施するのか。狙いは、シャトレーゼのこだわりを多面的に知ってもらうとともに、熱心なファンをつくることにある。
同社としては“熱量”の高い人に参加してもらいたいと考えているという。普段から店舗で菓子を買っており、商品について一定の知識があり「シャトレーゼのことをもっと知りたい」と考えているような人だ。
シャトレーゼは、卵・牛乳・果物といった原料を地元の契約農家から仕入れ、自社工場で製造し、各店舗に直接配送している。こうしたビジネスモデルにより、低価格を実現。さらに、生産者の顔が見える安全・安心な菓子作りに取り組んでいることをアピールしている。
製造工場や契約農園での体験を経て、熱心なファンになってもらえば自社商品をより購入してもらえるようになる。望月部長によると、ツアー参加後に、店舗での購入額が2〜3倍になるケースもあるという。
シャトレーゼの良さを知らせる“伝道師”になってもらうのも狙いだ。ツアーの内容は、SNSに投稿可としている。熱量の高いファンの投稿が拡散すれば、自社の姿勢がより広く知られるだけでなく、新規顧客の獲得も見込める。
ツアーは、顧客と社員が直に触れる機会でもある。開発部門の社員が新製品の試食をしてもらい「どれがいいと思うか?」と尋ねることもある。今秋、シャトレーゼではワインのジェラートアイスが復活する予定だが、これはツアー参加者の声を踏まえての対応だ。ツアーの最後にアンケートも実施するが、社員と参加者の直接の触れ合いに価値があると考えているようだ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング