「冷凍おせち」強化で“アウェー”首都圏取りなるか 「大丸・松坂屋」正月商戦の今(2/4 ページ)

» 2023年09月02日 07時00分 公開
[樋口隆充ITmedia]

有名料亭コラボ こだわりの「特別企画」

 売り上げ拡大には、商品ラインアップの強化が求められる。同社のおせちには、有名店や著名な料理研究家の監修者の下、社内で一から開発する独自の「特別企画おせち」と、販売価格や段数などを同社側で指定し、事業者がコンペで採用を競う「厳選おせち」の大きく2つの商品がある。それぞれ、過去4年で売り上げが1.5倍と1.3倍に増加している。

photo 特別企画と厳選ともに売り上げ増加

 例えば、目玉となる特別企画には、監修者に料理研究家の大原千鶴さんを起用。5年連続で売り上げ1位を記録している。開発時は、試作品を何度も持ち込み、大原さん自身の味に近づけるこだわりや、販売終了後に毎年、反省会を開くなどして翌年の商品開発に反映している。今年も厳選食材を使用した「和風三段」(2万9800円)を販売する。

photo 大原千鶴さん監修の「和風三段」(2万9800円)は5年連続で販売数1位だという

 首都圏での売り上げを伸ばすため、東京都内の人気料亭ともコラボした。同社の担当者によると、「銀座ふじやま」(東京都中央区)は企画を提案した際、「自分たちはおせちを作ったことがない」と難色を示したものの「やったことがないならこそ、今回作りましょう」と粘り強く説得し、同店初の「和風おせち」(3万4800円)を実現させたという。

photo 「和風おせち」(3万4800円)
photo ミシュランガイドにも載る「銀座ふじやま」(出典:ミシュランガイド公式Webサイト)

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