マネジャーの仕事は、一筋縄ではいきません。「部下に指導しなくてはいけないが、ハラスメントにならないか怖い」「指示通りに動かない部下に、どう対応したら良いのか」など、Z世代をマネジメントする上司の尽きないお悩みに、リクルートマネジメントソリューションズが回答します。
Q: 先日、自分のチームに新人が配属されました。しかし、どこかやる気がなさそうな様子です。他のメンバーから「他の部署を希望していたのに、配属ガチャに失敗した」と話していたと聞きました。
就職したばかりなのだから、与えられた仕事にちゃんと取り組んでみてから判断すればいいのに……と、上司としては残念な気持ちです。とはいえ、説教臭いことを言っても本人のやる気を引き出せるとは思いません。どう接するのが正解なのでしょうか?
A: 配属先でやりがいや仕事の面白さを見つけてもらうために、前のめりになれるような仕事のアサインとデザインを心がける。
配属先が希望と異なり、やる気が出ないと話す若手──現代では、珍しい光景ではないでしょう。昔は「石の上にも3年」といい、一人前になるためには時間がかかるのが当たり前だったのにと、戸惑いを覚える上司も多いかもしれません。
「従来の希望とは異なる部署に配属された」という過去は変えられませんが、未来は変えられます。新しい配属先において、新たなやりがいを見つけてもらえればよいのです。
「希望と違ったから前向きになれない」ではなく、「希望とは異なった仕事だけど面白そう」「やっているうちに面白さが分かってきた」と、前のめりになれるような仕事のアサインとデザインを心がけることをおすすめします。
実際の配属に対して、当初はネガティブな受け止めをしていたとしても、最終的に夢中で面白く取り組めるようになれば、いずれそれは気にならなくなるもの。本人の希望を尊重する一方で、面白そうな仕事を準備してアサインすることに注力する方が、結果的に解決が早くなることもあります。
また、新入社員の場合、配属先や希望先の仕事について十分に理解していないことも考えられます。そのため、上司はときに、深刻に捉えすぎない方が良いこともあります。部下自身の受け止めを変えていける可能性はゼロではありません。
配属に対するネガティブな思いを口に出されると、マネジャー世代の常識と照らし合わせて、戸惑ってしまうかもしれません。しかし、実際には部下はただ予想しなかった配属先への不安や一時的な気恥ずかしさを「本当の希望は違った」という言葉で表現しているだけということもあり得ます。温度感をよく確かめることも大切です。
リクルートマネジメントソリューションズ HRM統括部HRMサービス開発部INSIDESエンタープライズグループ マネジャー/主任研究員
入社以来、アセスメントサービスの開発・営業に従事し、企業の人事課題に対し、データ/ソフトの両面からソリューションを提供/実証研究を重ねる。上司と部下の1on1、入社者の早期離職、メンタルヘルス予防、エンゲージメント向上、組織開発に詳しい。現場マネジャーに部下との関わり方をアドバイスするHRテクノロジーサービス『INSIDES』の開発責任者を務める。
書籍:『人事・経営陣に知ってほしいエンゲージメントの “真” 常識』(翔泳社)
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