商品開発にファンを直接巻き込むことで、ドンキの社員にはいくつかの発見があったという。
今回参加した9人の中に、「溶接ギャル」を名乗る「粉すけ」さんがいた。車体整備事業を手掛ける「勝倉ボデー」(福井市)の社長で、SNSでの発言が話題になったり、テレビにも出演したりしている有名人だ。広報担当者によると、SNSなどを通じた交流があったという。
10代の時、粉すけさんは学校になじめなかったことからゲームセンターやドンキに入り浸っていた過去がある(出所:東洋経済オンライン「26歳『溶接ギャル』逃げた先に見つけた最高の天職』)。ドンペングッズを愛用しており、公式Xでは「動物とドンキで生きてる女」と名乗っている。また、いわゆる「ガングロギャル」のような風貌が特徴だ。
そんな粉すけさんは、ドンキ側が提案した商品案に対して「それってドンキっぽくないですよね」と痛烈なダメ出しをした。ドンキらしくない無難な提案だったことが理由で、会議に参加した社員は「本当に実直で熱い人だった」と振り返る。
他のファンからも「もっと、とがった商品がほしい」「みんなが持っているようなグッズは持ちたくない」というような意見があった。
社員が想像していた以上にドンペンへの愛が深かったことも驚きだった。粉すけさん以外の参加者からも、「自分がつらい境遇にあった時、ドンペンに救われた」というエピソードも寄せられた。
ドンキは深夜業態としてスタートした。夜中にふと孤独を感じるような客(シングルやノンキッズカップル)に支持され成長してきた面がある。夜中にずっと照明がついており、そこにいたドンペンに癒されたという人は少なからず存在していたようだ。
ちなみに、ドンペンがナイトキャップを着用しているのは、ドンキが深夜業態であることと関係がある。また、ドンペンが月に乗っているイラストを見たことがある人も多いと思うが、そこには「夜がさみしいなら、ドンペンがいつもいるからドン・キホーテにおいでよ」というメッセージが込められている。
ファンと直接交流することでさまざまな発見があったドンキ。今回のようなイベントを通して、ドンペンのブランディングを強化する狙いがあった。また、今後の商品開発に関するヒントも得たという。
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