消費者の傾向、若者の価値観、働き方の変化――このコーナーでは、ビジネスパーソンの働き方や企業の戦略立案に役立つようなさまざまな調査データを紹介していく。
対話型AI「ChatGPT」をはじめとした生成AIが話題だ。こうした中、業務で生成AIを「日常的に使用」している企業は2割――という結果が、AI開発を手掛けるエクサウィザーズ(東京都港区)の調査で分かった。積極的に生成AIを業務に取り入れているのは、どの業種だろうか。
調査では、ChatGPTなど生成AIの利用状況を、レベル1(関心なし)、レベル2(関心はある)、レベル3(試しに利用)、レベル4(時々使用)、レベル5(日常的に使用)の5段階に分類して行った。
その結果、レベル5にあたる「業務に取り入れて日常的に使用している」企業は、20.3%を占めた。4月に実施した第1回調査では7.2%だったことから、この4カ月で大きく増加したことになる。
「時々使用」するレベル4は41.5%と最も多く、「試しに利用」するレベル3も29%と続いた。
業種別に見たところ、日常的に使用するレベル5の比率は総じて上昇する結果となった。特に上昇したのは「金融・保険」で、前回の4%から22%まで上昇。前回レベル5の回答がなかった「建設」(18.5%)、「電力・ガス・運輸など」(15%)も大きく増加した。
総合的に見ると、「卸・小売」(レベル5:21.6%、レベル4:51.4%)、「医療・製薬」(レベル5:16.1%、レベル4:58.1%)はレベル4以上の合計が7割を超えており、実利用が最も進んでいる業種といえる。
生成AIを導入している企業は、どのように活用しているのだろうか。役職別に見ると、社員クラスのレベル5の割合が、前回の9.3%から27.3%と大きく伸びていることが分かった。レベル4と合わせると、全体の3分の2が利用しているという。
経営層もレベル4以上を合わせると56.4%で、用途としては文書作成がトップであり、アイデア出しや壁打ちなどへの活用も見られた。
同社は「経営層の活用による理解が進むことで、全社での全面的な導入や実業務への適用が進むのではないか」としている。
調査は8月22日、日本経済団体連合会の後援を受けて実施した「生成系AIの進展とビジネス活用の要点 ―経営者にとって必要な情報を1時間で整理―」セミナーに参加した368社の518人から回答を得た。
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