日本のタクシーは本当に大丈夫なのか 海外との“差”が広がるスピン経済の歩き方(1/5 ページ)

» 2023年09月19日 11時23分 公開
[窪田順生ITmedia]

 8月、米国のサンフランシスコ全域で、「完全無人タクシー」の運行が始まった。アルファベット傘下の会社とGM傘下の計2社の自動運転タクシーが24時間営業で走っている。

 中国の北京でも今年3月に「完全無人タクシー」が始まっており、アプリで呼んでアプリで支払いをする自動運転が客を乗せて公道を走っている。

 そんな風に世界のタクシーが大きく変わっていく中で、わが国でも大きな変化があった。国交省が個人タクシーの年齢を80歳まで引き上げたほか、タクシードライバーでも「外国人労働者」の受け入れを拡大する方針を示した。

タクシードライバーの高齢化が進む(写真提供:ゲッティイメージズ)

 ご存じのように、日本でタクシードライバーが激減している。2011年度に約34万人いた運転手(法人タクシー)は21年度に約22万人と10年間で3割も減った。この未曾有(みぞう)の危機を、高齢者と外国人を「動員」することで乗り切ろうというワケだ。

タクシードライバーが減少(出典:全国ハイヤータクシー連合会)

 大国が最新テクノロジーの実用化と社会システムの変革を着々と進めていく中で、「個人のがんばり」を頼りにとにかく労働力の確保に血眼になる。太平洋戦争末期の「総力戦」を思わせる国策に、悲惨な未来しか見えないという人も多いのではないか。

 そこで「このままじゃとんでもないことになる」と危機意識を抱いている人たちが提案しているのが、「ライドシェア」だ。一般人が自家用車で提供するタクシーのような乗車サービスである。米国や中国はもちろん、世界の多くの国で導入されているので利用した人も多いだろう。

 ドライバー不足も解決できるし、生活の苦しい人の副収入にもなる。一石二鳥じゃないかというワケだが、実は日本社会の大多数はこの導入に反対をしている。

 例えば、JNNの最新の世論調査によれば、ライドシェアに「反対」は55%となり、「賛成」の31%を大きく上回っている。また、8月29日に開かれた自民党の「タクシー・ハイヤー議連」の総会でも反対意見が相次いだ。政府もライドシェア導入を認めない方針だ。

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