来場者の4割が「野球観戦」をしない!? 日ハム新球場「エスコンフィールド」が試合日以外も集客を増やすワケ宮武和多哉の「乗りもの」から読み解く(3/3 ページ)

» 2023年09月22日 07時30分 公開
[宮武和多哉ITmedia]
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今後の課題は「冬場」の集客

 雪国にあるFビレッジは、冬季は長らく雪に閉ざされる。FSE社によると、冬場の集客対策としてソリ遊び・雪遊びを楽しめるイベント「SNOW PARK」を計画しているそうだ。また、開閉式の球場の屋根は冬期間は閉じているため、スタジアムを見学するツアーも引き続き開催。温泉・サウナやクラフトビールの醸造所などは、冬場も営業するとのことだ。ちょっとしたスノーリゾートを楽しんで、温泉・サウナで整い、極上のクラフトビールをグッと一杯……雪国・北海道ならではの楽しみ方ができそうだ。

 そして、Fビレッジ内には大規模なマンション「レ・ジェイド北海道ボールパーク」や、保育園「キッズラボ」もあり、球団だけでなく住民のホームタウンとして歴史を重ねていくだろう。今、日本ハムグループやFSE社が築き上げようとしているのは、球場・ボールパークにとどまらない「野球を身近に感じられる、新しい街」と言えるかもしれない。

エスコン エスコンフィールドに併設されたマンションは、全118戸があっという間に完売となった

 あとは、28年度に予定されている新駅が開業すれば、Fビレッジは一挙に“駅チカ”になり、約20分ほどで札幌駅に到達可能となる。今後、Fビレッジ、エスコンフィールドはどう進化していくのだろうか。楽しみに見守りたい。

宮武和多哉

バス・鉄道・クルマ・駅そば・高速道路・都市計画・MaaSなど、「動いて乗れるモノ、ヒトが動く場所」を多岐にわたって追うライター。幅広く各種記事を執筆中。政令指定都市20市・中核市62市の“朝渋滞・ラッシュアワー”体験など、現地に足を運んで体験してから書く。3世代・8人家族で、高齢化とともに生じる交通問題・介護に現在進行形で対処中。

また「駅弁・郷土料理の再現料理人」として指原莉乃さん・高島政宏さんなどと共演したことも。著書「全国“オンリーワン”路線バスの旅」(既刊2巻・イカロス出版)など。23年夏には新しい著書を出版予定。

 noteでは過去の執筆記事をまとめている。


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