チームワークが良いと思う日本企業 3位「中外製薬」、2位「日揮HD」、1位は？：新入社員に聞いた（2/2 ページ）

[熊谷ショウコ，ITmedia]

ランキング上位の企業で働く人の声

　ランキング上位の企業で働く新卒入社の口コミを見ると、「組織力を重視している。社員のギラギラした競争意識は全くなく、組織として成果を出すには、という意識が強い」（総合職女性、日本郵船）、「風通しは非常に良く、上下関係や学閥などのしがらみがない」（営業女性、日揮ホールディングス）など、緊密な人間関係を築こうとする風潮が強いことや、結婚、出産など社員のライフイベントを大事にする「古き良き」企業の姿を特徴として挙げる声が多く見られた。

　また年功序列である一方、若手にも裁量権があり、上司と部下が分け隔てなく議論を尽くし、社長や役職者にも名字に「さん付け」で呼ぶ文化を肯定的にとらえる声も並んだ。オープンワークでは「こうした組織風土によって若手が意見を言いやすい文化が醸成され、チャレンジや成長を促している。『若手だから』と意見を軽んじられることのないボトムアップな社風が、『チームワークが良い』と高く評価される理由ではないか」としている。

ランキング上位の企業で働く人の声（画像：ゲッティイメージズより）

　そのほか、定期的に職場や職種を異動して経験を積ませるジョブローテーションによって、人材が組織内に循環することの利点も挙げられた。専門性を早く身に付けたい若手には焦りとなる可能性もあるが、社内で人脈が広がることにより、風通しの良い職場環境が形成される人もいるようだ。

　事業規模の大きさゆえに経験できる仕事は多岐にわたる一方、「上司に言われた業務をこなすだけでは埋もれてしまう」といった声も見られた。「環境や機会が与えられるのを受け身の姿勢で待つのではなく、自らの意見や考えを積極的にアウトプットし、挑戦することで働きがいにもつながるといえる」（同社）

　集計データは、設立50年以上かつ従業員1000人以上の日系企業が対象。新卒入社した20〜30代の現職社員による会社評価リポート回答7万5038件を調査した。