まず『ナウシカ』の続編に関しては、原作者の宮崎氏が頑なに拒否しているので、実現のハードルは高い。となれば、折衷案として可能性が残るのは「リメイク作品」だ。そうなると宮崎氏と「師弟関係」のある有名クリエイターの名が浮かぶ。
トーク番組『ボクらの時代』(フジテレビ、2021年4月25日放送)に出演した鈴木氏がナウシカの続編を「庵野秀明も作りたいって言ってるんです」と明かした。庵野氏といえば『シン・ゴジラ』『シン・ウルトラマン』『シン・仮面ライダー』を手がけているヒットメーカー。となれば当然、続編は『シン・ナウシカ』だ。
このような構想は、これまでのジブリではあり得なかった。絶対権力者の宮崎氏が乗り気ではなかったからだ。しかし、今回の子会社で状況がガラリと変わる。ジブリの議決権を握っているのは日テレであり、宮崎氏はあくまで子会社の取締役名誉会長だ。親会社が「グループとして進めたい」という事業を、子会社がどこまで突っぱねることができるのかは微妙だ。
しかも『シン・ナウシカ』を説得している間に、『実写版 トトロ』の制作を着々と進めるという戦略もある。
実はトトロのリメイクに関しては、既に宮崎氏はゴーを出している。ご存じの方も多いだろうが、英国のロイヤル・シェークスピア・カンパニーが「My Neighbour ToToRo」として舞台化をして、あちらの演劇賞まで受賞をしている。
英国人のリメイクさせておいて、親会社のリメイクに反対ということはない。つまり、「トトロ」の実写映画化はいつ発表されてもおかしくないのだ。
『千と千尋の神隠し』も同様で既に橋本環奈さん、上白石萌音さんのダブルキャストで舞台化されている。来年は川栄李奈さんと福地桃子さんも千尋役となって、全国ツアー、ロンドン公演まで予定されている。ここまでリメイクされている作品ならば、日テレとしても「最新VFXで”油屋”を完全再現して実写映画化だ!」となるのは当然だろう。
しかも、日テレはいかにもそういうことをやりそうな「前科」がある。それは、タツノコプロの子会社化だ。
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