そもそも日本のクルマの規格はセダンが基本となっていたから、シルエットで考えるとやや細長い。ボディサイズによる税金やナンバーの区分がない欧米では、より自然にボディのサイズアップを果たしている。
さらにEVが増えていくと、ボディの拡大はさらに進んでいくことになりそうだ。なぜなら、EVはバッテリーをたくさん積んで車体が重くなるとコンパクトにつくるのが難しい。走行性能の点からも四輪を大きく離して配置したほうが望ましいから、サイズアップへの圧力になる。
しかし日本は道路や駐車場が狭く、ボディサイズを拡大していくと車庫入れや住宅地の路地など狭い道の通過に気を使うことになる。
スバルは北米市場重視でサイズアップしたレガシィを日本市場で販売することをやめ、レヴォーグを投入したのはいい例だ。特に車幅はシビアな問題で、1.8mを超えると都市部では駐車場選びのハードルが上がる傾向にある。輸入車の中でも日本市場を意識してサイズを決めた例もある。
ドイツの大型高級車は、別の方法でサイズアップの弊害を解決させている。それは駐車支援と四輪操舵の導入である.
超音波センサーによって見切りの悪い大型乗用車の取り回しを解決させたのは、30年も前からのことだ。その後も精度や使い勝手を高めてきたが、最近は車庫入れを自動運転で行うことで駐車の運転操作を軽減し、後輪も操舵することで内輪差を解消し、小回り性も高めているのだ。
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