メニューと店舗運営で違いが見られる両者だが、決算資料をみると収入源も大きく異なることが分かる。餃子の王将を運営する王将フードサービスは、23年3月期の売上高が約930億円。中華事業の単一セグメントとして、餃子の王将だけで稼いでいる。前記の通り直営店がほとんどを占めることから、店舗の売り上げが会社の業績に直結する、正統な飲食店企業といった構図である。
対するイートアンドホールディングスの23年2月期売上高は約330億円。単一事業ではなく、セグメントが外食事業(約130億円)と食品事業(約200億円)に分かれている。外食事業は大阪王将を筆頭とした飲食店事業であり、直営店の売り上げだけでなく、FC店からのロイヤリティも収入源である。
食品事業は、大阪王将のブランド名が付いた冷凍餃子などの一般家庭向け冷食、また業務用冷食の販売が収入源である。そして、同社は冷凍焼き餃子で国内約3割、冷凍水餃子では過半数のシェアを握っている。一般家庭向けの冷凍食品販売が、祖業である外食事業を上回っているのだ。
つまりイートアンドホールディングスは、外食事業でさほどもうからなくても、もう一つの大きな収益源を持っている。ある程度の店舗展開によって、消費者が大阪王将に抱くブランドイメージを維持できれば、食品事業はもうかる仕組みになっているのだ。実際に、コロナ禍の21年2月期では外食事業が赤字となったものの、食品事業は黒字を確保。全体で営業利益の黒字を維持した。
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