フランス本国としては、もっと早く日本市場で炊飯器を販売したかった。だが、実現までに長い時間を要することになった。
その理由は何か? 日本でティファールブランドを展開するグループセブ ジャパンの島村朋希氏(マーケティング本部小型家電プロダクトマネジメント部 部長)は次のように話す。
「10年ほど前から、日本で炊飯器を販売したいという話がありました。日本では開発を行っていないので、フランスから送られてきたのですが、日本人の舌を満足させる出来ではありませんでした」
炊飯器市場は大きい上に大手家電メーカーが強いので、生半可なスペックで参入したら蹴散らされるだけ。日本人が「おいしい」と思える味で炊けるモノができるまで、日本市場に参入しなかった。
「炊飯器市場に参入するには、心から『おいしい』と思えるご飯が炊けることと、他社とは違う独自性があるモノでないと販売できません。日本人の嗜好(しこう)を伝え改良を重ねてきたので、発売までに時間がかかりました」と振り返る島村氏。フランス本国へは、甘みが感じられることや米粒にハリがあること、などといった日本人に好まれるご飯の好みを伝え、実現に向けて開発を進めてもらった。
19年にグループセブ ジャパンに入社した島村氏のもとに、毎年のようにフランス本国から試作機が送られ、実際にご飯を炊いて試食した。ザ・ライスの場合、日本での試作機検証は他の調理家電や電気ケトルと比べてマメに実施したという。
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