「値上げ=客離れ」はどうなった? ココイチの業績が好調なワケスピン経済の歩き方(1/6 ページ)

» 2023年10月10日 11時20分 公開
[窪田順生ITmedia]

 「こんなに値上げばっかりしていたら、ココイチ離れで閉店ラッシュが始まるんじゃね?」「ちょっとトッピングしたら、1000円余裕で超えるなんてありえないだろ!」「これまで毎週行っていたけれど、高級路線にかじを切ったのでもう行かない」

 なんて感じで数年前からネットやSNSでボロカスに叩かれていたココイチが好調だ。

 10月6日、「カレーハウスCoCo壱番屋」を運営する壱番屋は、2024年2月期連結決算の業績予想を上方修正した。4月時点と比べると、売上高は21億円多い551億円で、これは同時期の過去最高を見込んでいる。

通期業績予想の修正(出典:壱番屋)

 これには納得がいかない人も多いだろう。「何かの間違いでは?」と疑う人もいるかもしれない。

 ご存じの方も多いだろうが、かつて「安くてうまいカレー」の代名詞だったココイチは、今やネットやSNSの辛口ユーザーから「高級化路線を進むコスパの悪いカレー」とディスられている。分かりやすいのは、以下のような掲示板のスレッド名だろう。

 『大手カレーチェーン「CoCo壱番屋」 年に2回の値上げにファンの悲鳴、深刻化するココイチ離れ「庶民の味とは言えなくなってきている」』

手仕込とんかつカレー(1093円)
ロースカツカレー(928円)

 こういう指摘を受けて、今回の決算で葛原守社長も「高級志向にもっていくことは、まったく考えていない。大衆的な街のカレー屋さんでありたい」と強調しているが、ネットやSNSの反応は厳しい。決算のニュースでも「ココイチ好きだけど1000円出す価値はないわ」「喫茶店のカレーのほうが安くてうまい」など、ココイチに何か恨みでもあるのかというほど辛辣(しんらつ)な論評コメントが並ぶ。

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