「スナック」がニッポンの成長産業になる、これだけの理由スピン経済の歩き方(1/7 ページ)

» 2023年10月18日 11時22分 公開
[窪田順生ITmedia]

 先日、近所のスナックに足繁く通っては水割り片手にマイクを離さない日本中の「スナッカー」たちが「おっ!」と前のめりになるようなニュースが飛び込んだ。

 『外国人観光客がスナックに大興奮 ママ気配りも…「ナイトタイムエコノミー」起爆剤へ』(テレ朝news 10月10日)

 ご存じのように人口が急速に減少して、自動車、半導体、白物家電などかつて日本を支えた「ものづくり」も新興国にお株を奪われている日本では、「観光」が基幹産業になってきている。

 10年前くらいは「マナーの悪い外国人観光客は来るな!」「中国人の爆買いで日本が買い占められる」などと叫ぶ人たちもいたが、昨今はだいぶ少なくなってきた。インバウンドで多くの日本人が家族を養い、子どもを学校に通わせているという現実から目を背けることができなくなってきたからだ。

 しかし、日本がフランスやタイのような「観光立国」を目指していくには、どうしてもまだ整備されていない分野があった。それが「ナイトタイムエコノミー」(夜間の経済活動)である。

日本は「ナイトタイムエコノミー」が未整備(出典:ゲッティイメージズ)

 みなさんも自分が海外旅行に行ったときのことを思い返してほしい。観光地をまわって映える写真を撮って、アクティビィティーを楽しんでレストランで晩御飯を食べて、ホテルに帰って寝る。という人もいるかもしれないが、ほとんどは「せっかく海外に来たから」とその国の「夜」を楽しみたいと思うのではないか。ナイトクラブでショーを見たり、バーに行ったり、夜の市場を歩いたりと「異国情緒」を満喫したいと思うだろう。

 それは日本を訪れる外国人観光客も同じなのだが、日本はその「外国人観光客が楽しめる夜のコンテンツ」が少ないと指摘されていた。もちろん、飲食できるところはたくさんあるが、外国人の「日本人や日本文化に触れ合いたい」という欲求を満たすようなスポットは少ない。

 そこで注目されているのが「スナック」なのだ。

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