では、製作委員会方式と単独出資の違いについて、それぞれのメリットとデメリットは何か。端的に述べると下記のように整理できる。
例えば、製作委員会の出資企業としてテレビの放送局が入るとしよう。
そうすると、音楽会社であれば関連音源の販売、玩具会社やゲーム会社であれば関連商品の開発・販売の権利を放送局も保有することになる。よって、テレビを含めたさまざまな形で作品を展開できるのが強みだ。
一方で、各企業はそれぞれのビジネス領域における目標を達成することが目的となる。そのため各企業が個別最適を図り、コンテンツとしての全体最適に向かわない場面が生じうる。
「アニメ制作の現場が困窮している要因は、製作委員会方式にある」と勘違いされがちだが、製作委員会方式はリスク分散の一つの手段であり、それ自体は悪でも善でもない。
上述の鬼滅の刃に関しても、製作委員会と銘打たれていないため勘違いされがちだが、アニプレックス・集英社・ufotableの3社がクレジットされており、方式でいえば製作委員会方式だ。つまり、方式そのものが成功・失敗をわける要因にはならない。
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