バブル世代の営業資産の継承には3世代が連携しなければならない。氷河期世代がバブル世代の強い営業力をヒアリングしながら会社全社の橋渡し役となり、主にミレニアル世代に伝授していく。これを行うにあたりセールステックや営業DXの力を活用する。主に氷河期世代のプロジェクトでの立ち回りが肝心だ。
第一ステップは、バブル世代にインタビューし、アナログな営業ノウハウを言語化することから始まる。顧客接触頻度、接触内容、顧客企業内の論理、人間関係や政治力学、説明ロジック、熱量など、営業の工夫や考え方を話してもらう。
第二ステップとして、氷河期世代がこれを客観的に言語化、フローや体系的に整理する。その際に「デジタルセールスルーム」「セールスエンゲージメント」といった営業DXツールを活用する。デジタルセールスルームとは営業提案のためのサイトシステムで、セールスエンゲージメントは営業のタスク管理システムだ。どのようなヒアリングや提案をしているか、どんな資料を渡しているか、どんな営業タスクが発生するか、など営業業務の一切をシステムで設計する。
第三ステップとして、この設計内容を具体的な営業活動に生かすために、ミレニアル世代につなぐ。営業テクノロジーを介してミレニアル世代にバブル世代の営業スタイルを実行させるわけだ。
ミレニアル世代はKPIやロジック、効率性を追う仕事に慣れている。「システム化された営業工程」にすることで「定量管理」を可能にし、論理的で効率的な営業スタイルにしていく。バブル世代のやり方を踏襲しながら、ミレニアル世代がさらにデータドリブンにPDCAを回すことで、営業力を底上げする。
このように世代間ギャップを意識して尊重することが営業DXプロジェクトの成功の秘けつだ。今後多くの会社で「営業力のデジタル資産化」が進んでいくに違いないだろう。
ビズリーチにてカスタマーサクセス(CS)チームを立ち上げ後、2018年にopenpageを設立。
CSをデジタル化する「openpage」の製品提供をはじめ、CSの体制づくりのコンサルテーション、SNSでの情報発信、大型オンラインイベントの企画など、米国流のCSを国内で広く啓蒙。openpageではB2B取引の透明性(オープン性)に着目し、「セルフサーブで顧客が考えられる」デジタルセールスの体制構築を支援。営業トーク、製品機能、価格などすべてデジタルの文字情報として起こし、顧客に情報共有可能にしている。
著書に「実践カスタマーサクセスBtoBサービス企業を舞台にした体験ストーリー」(日経BP、2023年)
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